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「36試合中16登板」パドレス松井裕樹の序列と「ドジャースも“ブラック体質”」過酷なメジャー救援事情…大谷翔平HR量産報道で埋もれがち
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byJustin Edmonds/Getty Images
posted2025/05/13 17:50
パドレスの救援陣の一角を務める松井裕樹。タフさが求められるメジャーのリリーフ事情の中で着実に結果を残している
〈山本由伸/ドジャース〉
2025年 8試4勝3敗0S45回30安4本14球53振 責9率1.80
5月8日Dバックス戦5回6安2本1球4振 責5(88-54)●
3、4月の最優秀投手に選ばれた山本だが、NPB時代に比べて球数が嵩んでいるのが気になっていた。中5日になれば負担が大きくなる。効率的な投球が求められるところだ。
〈佐々木朗希/ドジャース〉
2025年 8試1勝1敗0S34.1回29安6本22球24振 責18率4.72
5月9日Dバックス戦4回5安2本2球0振 責5(61-43)
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9日の登板での「奪三振なし」のリザルトは衝撃的である。ストライク率を上げるために球速を落とし、スプリッターもNPB時代のキレはなく、長所が消えてしまった印象だ。ロバーツ監督はローテを外す気はないと語ってはいるが、大幅な軌道修正が必要な気がするのだが……。
菅野、千賀はそれぞれのチームでエース級の働き
〈菅野智之/オリオールズ〉
2025年 8試4勝2敗0S46.1回39安7本8球26振 責14率2.72
5月9日エンゼルス戦7.1回3安0本0球5振 責1(93-65)〇
エンゼルス戦は8回途中まで投げ無四球で自責点1と非の打ちどころがなかった。ア・リーグ東地区最下位のオリオールズにあってもはやエースと言ってよい。投打通じてのWARも1.3でチーム1位になった。
〈千賀滉大/メッツ〉
2025年 7試4勝2敗0S38.2回28安1本17球35振 責5率1.16
5月7日Dバックス戦6回2安0本5球4振 責0(89-48)〇
2戦続けてのDバックス戦、5四球を出し制球に難があったが自責点0。現在は規定投球回から外れているが、ナ・リーグ防御率1位争い圏内にいる。
〈今永昇太/カブス〉
2025年 8試3勝2敗0S44.2回35安7本14球34振 責14率2.82
5月4日のブルワーズ戦はベースカバーに走った際に芝に足を取られて左足を痛めた。15日間のIL(負傷者リスト)入り。復帰が待たれるところだ。
〈菊池雄星/エンゼルス〉
2025年 8試0勝4敗0S42.1回42安6本20球39振 責18率3.83
5月7日ブルージェイズ戦6回5安0本1球6振 責1(91-70)
7日のブルージェイズ戦は6回自責点1、今季もっともよい投球内容で防御率も3点台になったが味方の援護なく勝ち星つかず。依然、未勝利。
〈前田健太/タイガース〉
2025年 7試0勝0敗0S7回9安1本6球7振 責7率9.00
5月1日にDFAに。7日にウエーバー公示されたが他球団のオファーはなかった。今後はマイナー契約になるか、FAになるかの選択肢となる。日本復帰の道も残されている。
藤浪もリリーフで活路を見出したいが…
パドレスのダルビッシュ有とレッドソックスの吉田正尚は依然IL(負傷者リスト)。レッドソックスは正一塁手のカサスが今季絶望となった一方で、DHのデバースは一塁コンバートを断った。吉田はまだスローイングに問題があるが、復帰しても微妙な立場にいる。
ナショナルズ傘下AAAロチェスターの小笠原慎之介は、4月17日に負傷者リスト入り。マイナー契約フィリーズ傘下AAAリーハイバレーの青柳晃洋は、通算防御率は0.96だがここ2試合で4四死球と制球が乱れている。同じくマイナー契約のマリナーズ傘下AAAタコマの藤浪晋太郎はここ2試合、無失点。松井のようにリリーフとして活路を見出したいものの、通算防御率は9.58と依然厳しい。

