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「36試合中16登板」パドレス松井裕樹の序列と「ドジャースも“ブラック体質”」過酷なメジャー救援事情…大谷翔平HR量産報道で埋もれがち 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byJustin Edmonds/Getty Images

posted2025/05/13 17:50

「36試合中16登板」パドレス松井裕樹の序列と「ドジャースも“ブラック体質”」過酷なメジャー救援事情…大谷翔平HR量産報道で埋もれがち<Number Web> photograph by Justin Edmonds/Getty Images

パドレスの救援陣の一角を務める松井裕樹。タフさが求められるメジャーのリリーフ事情の中で着実に結果を残している

 5月はここまで5試合に投げ4.2回で被安打0、2与四球2奪三振、自責点0とほぼ完ぺきに抑えている。しかしながらここまでホールドは1のみ。勝ちゲームのいいところではほとんど投げていない。

 パドレスはナ・リーグ西地区でドジャースと激しい首位争いを演じているが、それを支えているのはリーグ2位の防御率を誇る投手陣だ。とりわけ救援陣の活躍が目覚ましい。

スアレス19試0勝1敗15S0H 18回 率3.00
アダム20試3勝0敗0S12H 22.1回 率1.69
エストラーダ20試1勝2敗0S9H 19.1回 率1.86
モレホン19試1勝1敗1S5H 18回 率3.50
ペラルタ17試2勝0敗0S2H 15.1回 率7.04
ジェイコブ17試1勝0敗0S2H 18.2回 率2.89
松井裕樹16試0勝1敗0S1H 17回 率2.12

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 ソフトバンクや阪神で投げていたスアレスが絶対的なクローザー。12日のエンゼルス戦で大量5失点を喫したものの、11日時点では17.2回を投げて自責点1、防御率は0.51で15セーブを挙げていた。中継ぎ投手のうち、勝ちパターンで出てホールドを稼ぐ投手をセットアッパーというが、パドレスでは11ホールドのアダムと8ホールドのエストラーダがそれだ。

スライダーは通用、ただし現状の序列は…

 松井はモレホン、ペラルタ、ジェイコブとともに「普通の中継ぎ」という序列・位置づけだ。ここ2試合、ペラルタが2失点ずつしているので松井のステイタスは若干上がったと思われるが、それでもセットアッパーへの道は険しい。

 昨季の松井は4月までは防御率2.45と順調に滑り出したが、5月に3.48、6月に4.91と崩れた。左腕から繰り出す変化量の多い2種のスライダーは、高校時代から松井の代名詞と言われたが、今季は被打率がグッと下がるなど、MLBでも通用している。

 課題はスタミナだ。過酷な連戦が続く中、先発投手は配慮されてもブルペンは「投げられなくなれば」終わってしまう。春先からドジャースと激しい首位争いを繰り広げるパドレスにあって、松井はセットアッパーへのステップアップを掴むことができるだろうか?

HR量産の大谷が狙える“じつはルース超え”大記録とは

 いよいよエンジンがかかってきた感のある大谷を筆頭に――その他の日本人メジャーリーガーについても現地5月6日から11日までの成績とともに見ていこう。

【次ページ】 HR量産の大谷が狙える“じつはルース超え”大記録とは

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