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「それファウルだから」PKの笛は鳴らず…“久保建英が倒された写真”がダービー翌日、現地紙一面に「クボ対策は反則かスレスレしかない」雄弁な証拠
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/05/09 11:03
バスクダービーでの久保建英。スコアレスドローながら今季9度目のMOMに選出された
やや中盤まで降りてボールを受けると、5人の相手に囲まれながらもボールを失わない。回数こそ少なかったが、1対1の局面では大胆にドリブルを仕掛けて相手を翻弄した。特に反則もしくは反則スレスレのプレーが増えたのが、久保と相対した左SBのイニゴ・レクエである。すると判定に不服を見せる相手に対して、久保が冷静に「それファウルだから!」と諭すようなシーンもあった。
前半終了間際には、久保がクリアボールを拾いカウンターの起点となりドリブルで持ち上がると、サポーターからの期待を表す大きな歓声があがった。しかし駆けつけたベレンゲールに後ろから押し潰され、シュートまで持ち込むことはできなかった(ベレンゲールには警告が与えられた)。
PK獲得かと見えたが…悔しさを噛み殺した
スコアレスで迎えた後半頭に、久保は大きなチャンスを迎える。ボックス外でボールを受けるとマークは1枚、迷わず勝負を仕掛ける。シザースで相手をずらし右足で強烈なシュートを放ったが、GKに弾き出されてしまった。
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また久保が右サイドをベースにしながらも、前半に比べてより一層自由に中央へ動きボールを引き出す動きを見せ始める。するとチーム状況は好転、徐々にソシエダがゲームのイニシアチブを取り始める。するとビルバオ陣営は久保に対して、たまらず「クボはファウルでしか止められない」とでもいうような荒々しいファウルを執拗に繰り返した。
そんな中でも、指示が出ていたのか自身での判断だったのか不明だが、中盤でも精力的にボールを回収する動きを見せ、また最前線でGKまでプレッシングをかける動きも見せたが……。
後半中盤には、左サイドで相手からボールを奪いボックス内へ侵入、後ろから相手に押し倒されたようにも見えたが、PKを意味する笛はならなかった。両手を合わせて祈るような仕草を見せた後、ぐっと悔しさを噛み殺すような表情が撮影できた。
試合後、久保はこのシーンについて「ボールを奪ってからとても速かった。プレーを続けようとしたがつまずいたようになったので抗議しました」とコメントを残している。
交代時に大きな拍手も「満足できません」
久保は82分に交代でピッチを後にする直前にも大きなチャンスを迎えた。しかし左足から放ったシュートは、難なく相手に弾き返されてしまった。ボックス内でボールを受けた久保は、相対するDFのタイミングをずらし股を抜くシュートを狙っている。






