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大ブレークの予感…開幕前にドジャースの怪腕スネルから本塁打! 阪神・佐藤輝明が語っていた「しっかり当たれば、飛ぶ」の深い意味とは?
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金子達仁Tatsuhito Kaneko
photograph byTakuya Sugiyama
posted2025/05/08 17:40
開幕から好調を維持する阪神・佐藤輝明。5月8日現在、11本塁打31打点の二冠
ひょっとしたら、その原因は3月16日の東京ドームにあったのかもしれない。
マウンド上にはブレーク・スネルがいる。佐藤の気持ちは昂っていた。
「スネルのこと、もちろん知ってはいたんですけど、まさか対戦することになるなんて、考えたこともなかったんで」
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MLBの開幕戦が日本で開催されることになり、彼らの調整試合の相手の一つに自分たちが選ばれたと知った時から、仲間たちの目の色が変わったと佐藤は笑った。
「もう、みんなそこに合わせてるんじゃないかっていうぐらいの気合の入り方でしたからね」
世界最高峰の相手と力試し
もちろん、目の色が変わったのは佐藤も例外ではなかった。たかがエキシビションマッチということは重々承知していた。とはいえ、力試しの舞台としてはこれ以上のものはちょっとない。世界最高峰とされる男たちに比べて、自分たちはどのぐらいの立ち位置にあるのか――そのことに無関心でいられるアスリートはいない。
夢の中ですら対峙したことのなかった193cmの長身左腕は、初回の初対戦時、まず154kmの速球を投げ込んできた。
「速いなって思いました。単純に球速だけだったら、同じぐらいの速さのピッチャーと対戦したこともありますけど、手が長い分、より打者に近いところでリリースしてるじゃないですか。たぶん、普通のピッチャーより20~30cmぐらい前で。こっちからすると、その分、時間がないっていうか」
2球目も直球で、3球目はスライダーだった。
「エグい曲がりでしたね。これもやっぱり、リリースしてから手元に到達するまでの時間がないんですよ」
球質の違いに舌を巻いた佐藤だったが、ここまでの3球はすべてボールと判定されていた。カウント3-0からの4球目、思い切って踏み込んだが153kmの速球をとらえきれず、ショートフライに終わる。おそらく、この時点でのスネルにとって、佐藤は名も無き日本の一打者にすぎなかった。
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の《独占インタビュー》「ああいうピッチャーって日本にいない」佐藤輝明がドジャース・スネルらとの対戦で感じた「しっかり当たれば、飛ぶ」の深い意味とは?【阪神タイガース】で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。
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