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〈令和7777号〉ロッテ・角中勝也「前夜は焼肉店で…」“7だらけ”のメモリアルアーチ舞台裏「ネガティブ思考が武器」37歳の元首位打者が貫く哲学
posted2025/05/08 11:02

記念のボールを手にする角中
text by

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
乾いた音とともに、打球はライト方向へと吸い込まれていった。4月27日、エスコンフィールドで行われたファイターズとのデーゲームで、マリーンズのベテラン外野手・角中勝也が勝ち越しの2ラン本塁打を放った。この一発は、チームにとって貴重な勝ち越し弾であると同時に、元号が変わって以降、NPB通算で「令和7777号」のメモリアルアーチとなった。
「7」との深い縁
令和1号はジャイアンツの坂本勇人、5555号はバファローズの杉本裕太郎、6666号はタイガースの森下翔太が記録。そして令和7年、「ラッキーセブン」が4つ並ぶ幸運な記念弾を放ったのは、マリーンズの37歳、プロ19年目を迎えた角中だった。
試合後、記念球を手にした角中は「え? 何の記録ですか? どういうこと? 何の通算?」と、周囲の騒ぎとは裏腹にきょとんとした表情。事情を理解すると「狙ってました!」とおどけて笑い、関係者の笑いを誘った。
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角中と「7」との縁は深い。2006年の大学・社会人ドラフトで7巡目指名され、独立リーグ・高知ファイティングドッグスからプロ入り。出身地である石川県七尾市ではふるさと大使を務めている(出身は旧・田鶴浜町で、2004年10月に七尾市などと合併)。そして現在、3「7」歳で放った「70本目」の本塁打が、「令和7777号」という記念弾となった。
「正直、自分はあまりメモリアルや記録には興味がないんですが、みんなが喜んでくれるならそれでいいかなと思います。好きな数字は3と8ですが、もちろん7もその次くらいに好きですよ」
「ベテラン感はないつもり」
チームの野手では、39歳の荻野貴司に次ぐベテラン。現在、野手の一軍メンバーで最年少は19歳の捕手・寺地隆成で、その年齢差は18だ。角中がプロ初出場を果たした2007年7月、寺地はまだ1歳だった。
「自分がデビューした時は、ベテランに小宮山(悟)さんがいました。年齢差でいうと、それに近いかも。福浦(和也)さんやサブローさんもいましたけど、あの方たちとはもう少し年齢が近かった。でも、自分もだいぶベテランになったなあと、つくづく思います」と感慨深げに語る。
さらに、笑顔でこう続けた。
「周囲がどう思ってるかは分かりませんが、自分としてはベテラン感は全くないつもりです。むしろ今の若い選手たちは僕のこと、ベテランだと思って接してないですよ。たぶん“友達”だと思って話しかけてきてますね」