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「かなりビックリした」阪神・佐藤輝明が明かす“59打席連続無安打”より追い込まれた“まさかの二軍行き”「岡田監督ってプレー以外も見てる方なんやな」

posted2024/04/04 17:01

 
「かなりビックリした」阪神・佐藤輝明が明かす“59打席連続無安打”より追い込まれた“まさかの二軍行き”「岡田監督ってプレー以外も見てる方なんやな」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

プロ入り4年目を迎えた阪神・佐藤輝明(25歳)。昨年はキャリアハイの92打点をマークした

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金子達仁

金子達仁Tatsuhito Kaneko

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Kiichi Matsumoto

 佐藤輝明のこれまでのキャリアには壁も試練もあったように映る。だが本人の心の奥底にある思いは「なんとかなるやろ」。阪神タイガース入団から3年間を振り返る言葉でわかったのは、未完のサトテルはまさに泰然自若、ポジティブ思考の持ち主だということだった。
(初出:発売中のNumber1093号[4年目の本格開花へ]佐藤輝明「僕の根っこは楽観主義」より)

プロに入った時も「めっちゃ凄いな」はなかった

 今年、佐藤輝明はプロ入り4年目のシーズンを迎える。たかが4年、しかし初々しかった大学1年生が、貫禄ある最上級生に変貌できるだけの時間である。プロ4年生になった佐藤には、1年生だったころの自分がどう見えるのだろうか。多くの大学1年生が、新社会人が、ほぼ例外なく直面する衝撃や壁に直面していたのだろうか。

「いやあ……」

 困ったように彼は苦笑した。

「あんまり感じてなかったかもしれないですね。大学の時も、野球以外の寮生活とかで戸惑うことはありましたけど、うわ、大学4年生ってオトナやわ、めっちゃ凄いな、みたいなのはなかったかも。プロに入った時も、凄い生意気なんですけど、野球に関しては全然なかったかもしれない」

 もちろん、3年間飲み続けたプロの水が、少しずつ自分に変化、あるいは成長をもたらしつつあるという自覚はある。

「1年目はとにかくガムシャラにやってただけで、余裕はまったくなかったです。試合前の準備や流れみたいなのがわかってきて、少しずつ余裕が出てきたというか。バッティングだったらよりフォームを考えたり、配球にも意識が向くようになった。あと、やることがシンプルになってきたかな」

 もちろん平坦な道ばかりだったわけではない。ルーキーイヤーにはセ・リーグワースト記録を更新する59打席連続ノーヒット、などということもあった。

「それまであんなことは一度もなかったんで、壁と言えば壁だったのかな、あれが」

59打席連続ノーヒットにも「なんとかなるやろ」

 悪夢の始まりは2021年8月22日の中日戦だった。そこから10月3日の中日戦まで、途中初の二軍降格も経験した彼は1カ月以上、一軍でヒットを打てなかった。「もうあかん」と弱音めいた言葉を発したこともあったという。ただ、本音は違った。

【次ページ】 「なぜ二軍落ちを命じられたか」という疑念

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