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佐々木朗希“じつはドジャース監督と面談あった”あの物議の降板後「リスペクト欠いたわけではない」アメリカ人記者が語る“MLB暗黙のルール”はなぜ?
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/04/15 06:01

ドジャース佐々木朗希とデイブ・ロバーツ監督
「これもMLBの伝統で、先発投手がイニングの途中で交代しベンチに下がったら、継投してもらったリリーフ投手がその回を終わらせるまでダグアウト内にとどまるのが暗黙のルールだ。回が終われば、投手は肩肘のトリートメントがあるのでクラブハウスの中に入ってもいいが、回の途中で交代したら普通は入らない。これはチームや試合に対するリスペクトを示すもので、自分が走者を出した後のピンチを任せるのだから、自分も一緒に戦うつもりでそこにいなければならない。メジャーでは、こういうことが大事なんだ」
しかしミラー記者は、この騒動についてこうも指摘する。
「個人的には、ロウキの一挙手一投足に周りが騒ぎすぎだと思う。彼はMLBの“A、B、C…”を覚えている段階で、あの日は自分の投球にいら立っていたし、明らかに余裕がなかった。ネットではベンチに戻った彼が泣いているのかどうなのかという議論が巻き起こっていたが、そんなこともシーズンが終わるころにはみんな忘れているはずだ。球団も、今季はロウキにとって新たなリーグと環境に慣れていく最初のステップと考えているので少々のことで動揺することはないし、彼がいろいろなことを覚えて成長し、そしてストライクが投げられるようになれば、それでいいと考えていると思う」
あの降板後…ロバーツと面談あった
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波乱含みのメジャーキャリアのスタートで、佐々木にとって非常に大きな存在になっているのがロバーツ監督だ。日米で大きな注目を集め、一挙手一投足に視線を浴びる佐々木を気遣い、メディアの目を極力逸らそうとする発言をキャンプ中から続けていた。東京ドームでのデビュー戦で5四球を出した佐々木を3回で降板させた後には「緊張は当然あったと思う。球速は出ていたが、感情の高ぶりやアドレナリンを抑えるのは難しい。彼はまだ投げたがった。だが彼にとって何が最善かを考えて判断した」と話し、ドジャースタジアムでのメジャー2度目の登板で佐々木が2回持たずに降板し、ロバーツ監督にボールを手渡さずすぐにベンチの奥へ引っ込んだときにはベンチに連れ戻し「リスペクトを欠いた行動をしたわけではない。ただ意思疎通と感情の行き違いがあったというだけだ。彼は自分に落胆していた。これまで成功しか知らなかったので、こんな経験がない。だが彼はもがきながら成長を続けていくはずだ」とかばっていた。