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小椋藍にMotoGPは合っている! ドゥカティ以外でランク最上位につける小椋藍が開幕3戦で見せた快走の理由…本人は「まだまだ全然です」
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遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2025/04/05 11:04
開幕から3戦を戦い、ランキング6位につける小椋
ウインターテストの小椋は、デビューシーズンからトップ10入りを期待させる走りを見せた。だが3戦を終え、それ以上のパフォーマンスを見せたどころか、表彰台に立つレースがひとつかふたつ、もしかするともっと出てくるのではないか。
小椋はいまサテライトチームに所属しているが、将来はドゥカティ、アプリリア、KTM、ヤマハ、ホンダという5ワークスチームからオファーが来るかもしれない。現在の契約は来年までの2年間だが、すでにどのメーカーにとっても小椋の存在は無視できないと思うからだ。
高まる優勝への期待感
過去の最高峰クラスには阿部典史や岡田忠之、宇川徹など、ワークスチームからフル参戦した日本人ライダーが数多くいた。だが結果的に優勝経験を持つのは名前を挙げた3人だけ。日本人として7人目の世界チャンピオンになった(全クラス含む)小椋がワークスチームで良いマシンに恵まれることがあれば、日本人として久々の優勝はもちろん、タイトル争いも夢ではないと感じさせてくれる。
不安定な天候となったアメリカGPはドライコンディションで走れる時間が少なく、小椋は予選18番手に終わっていた。だがコースサイドで写真を撮っていると、その走りはものすごくアグレッシブに見えた。「藍、すごい攻めてたね。MotoGP乗りこなしてきたね」と伝えると、「いや、そうじゃないですよ。ミスばっかりしているからそう見えたんじゃないんですか? まだまだ全然です」と答えてくれた。「まだまだ全然」と語る小椋に、ますます期待したくなるレースだった。

