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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「長谷部誠コーチの日本代表での仕事って?」本気でW杯優勝をめざすための体制はできているか…「今はチームみんながお互いに認め合っている」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/30 17:01
現役時代、代表キャプテンといえばこの人だった長谷部誠コーチの加入が日本代表にもたらした変化とは?
久保建英が成長した部分
「幼さがなくなった要因としてはやっぱり年月が進むにつれて、年上の選手に、選手としての心だったり、いろんなことを教わって人間としてより成長できたというのが1つと、あとは選手みんなのレベルがすごく上がってそれに揉まれながら僕自身が選手として成長できたという2つの部分で自分に自信がついたことがあると思います」
こう言ったのはワールドカップ出場決定試合となったバーレーン戦で素晴らしいプレーを披露した久保だった。第1次体制で起用法に不満を口にしたこともあった2人がチームファーストへと意識を変えている。
久保は続くサウジアラビア戦でもマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。2試合連続の先発起用について監督の信頼を感じるかと問われると「名波コーチが、試合前に信頼してるよ、と言ってくれたので、その一言が貰えるだけで選手はうれしい。頑張ってきてよかったなと思います」と答えている。チームは今、同じ方向に進んでいる。
“大言壮語”をリアルなチャンスにするために
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むろん、着実にチームは進化しているとしても、ベスト16より先に進んだことのない国がワールドカップ優勝を目標に掲げるのは、大言壮語だろう。ただ指揮官は大胆を承知の上で、きっぱりと言い切っている。
「まだ日本がベスト16の壁を破っていないという歴史は、もちろん分かっています。しかしながら2022年の時、最後にクロアチアにPKで敗れましたが、その時にチャンスはあるなと思わせてもらった、そこが私自身の中ではすごく大きい。
もう1つ、日本サッカー協会が2050年までの優勝を公言している。我々は今、代表活動をさせてもらっている中で、その目標に向かって実現できるようにレベルアップしていく、チャレンジしていくことが大切だと思っています。周りの人は笑うかもしれないですが、必ずチャンスはある。何をレベルアップするかについては、全てをレベルアップしなければいけないと思っています」
指揮官は本気だ。そして選手もコーチもスタッフも本気だ。
『世界の偉業のほとんどは絶望的な状況でも諦めなかった者たちによって成し遂げられた』
著書『人を動かす』で有名なアメリカの作家デール・カーネギーの言葉だ。北中米W杯の開幕まであと1年2カ月。変わらず本気で取り組めるかどうかに、日本の成功はかかっている。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉


