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大谷翔平「投手復帰Xデーは意外と…」NHK解説者が見たドジャース“わずかな弱点”とは? 「投手は抑えが」「打線のカギはエドマンと新加入の…」
text by

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/27 11:02
東京シリーズの試合前、外野でピッチング練習を行う大谷。小早川毅彦氏は「投手・大谷」の復調具合を現場でどう見たのか?
東京ドームで目撃した、普段とまったく違う「期待感」
さて今回の東京シリーズでは、アメリカでのMLBの試合とも、日本でのNPBの試合とも違う独特な雰囲気を堪能できました。やはり、大谷へのものすごい期待感がひしひしと伝わってくるのが印象的でしたね。2戦目の7回、大谷が申告敬遠されたときの大きなブーイングなどは、普段の東京ドームではなかなか見られない光景だったと思います。
私が特に感じたのは、球場全体からドジャース打線に対して、大谷にいい状況で回してくれ、という雰囲気がすごかったこと。7番コンフォート、8番ミゲル・ロハス、9番パヘスという下位打線に向けて、「いい形で1番に回してほしい、チャンスを作ってほしい」というムードが球場全体から出ているんです。
特に2戦目の9回、7番からの攻撃で一人出れば大谷に回る、逆に三者凡退だと回らずに試合が終わりそう、という状況での「出塁してくれ!」という雰囲気は、ちょっと私も経験したことのない凄いものでした。
大谷は日本人代表というよりもはや「人類代表」(笑)
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そしてこれだけ注目されて、恐ろしいほど期待されているなかで、この高いハードルに応える、期待をなんなく超える結果を出してくる大谷は、月並みですがやっぱり「何か持っている」な、と改めて思いましたね。私も解説者をやって数十年になりますが、大谷がやってくれることはいつも、私たちの想像をはるかに超えてくる。こんな選手は見たことがない、という計り知れないものがあります。
今回は東京シリーズということで、日本人プレーヤーたちの凱旋という意味合いはもちろんあったと思いますが、もはや大谷については日本人がどこまでやれるか、という観点で見るんではなくて、人間はどこまでやれるのかという、「人類代表」として見た方がいいな、と思いました(笑)。
私としては、ホームランを50本以上とか、ピッチャーで何勝するのかとか、そういう数字はもちろんなんですが、とにかく大谷が体調を崩すことなく、万全でシーズンを乗り切ってくれること、試合に出てその成長が見られるということが、今回感じた、一番の、最大の期待である、ということを最後にお伝えしておきたいと思います。
〈全2回の2回目/開幕シリーズで見た「打者・大谷」編から読む〉

