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ドジャース正捕手が語る山本由伸&佐々木朗希「ヨシは自分の強みを理解している」「ロウキは…あんな球、今まで見たことないよ(苦笑)」
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及川彩子Ayako Oikawa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/24 17:00

東京ドームでのMLB開幕シリーズで先発した山本由伸(左)と佐々木朗希。ドジャースの正捕手ウィル・スミスが二人の日本人投手について開幕前に語っていたこととは?
「98マイル(約158km)の速球は、どの投手の球でも捕手が感じるスピードや圧は同じだ。でもグラスノウとヨシでは投げ方も身長も違えば、スピン数も違う。球速よりも角度やスピンによって、球の見え方は変わってくる。そして当然ながら打者の球の見え方も変わってくる。球の入る角度によって打球の弾き方が違うんだ」
スピンの掛かり方、打者のスイングの癖などを考えて配球を組み立てる。
「速い球よりもスピンが掛かった球の方が捕るのが難しい。『こっちに動きそうだ』『あっちに動くぞ』と予想しながら捕らなきゃいけないからね」
肝心なのは準備…データが全てではない
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160kmの球を投手が投げてから捕手が捕るまでの時間は0.4秒程度とも言われるが、そのわずかな間に球の行方を判断し、ミットに収めていく。
「試合前は多くの情報を処理して、打者をどう打ち取るか、投手の得意な球種、配球、それを生かすためにどうアドバイスすべきかに常に頭を巡らせている」
大リーグでは先発予定の投手には、その集中を邪魔しないために試合前に話しかけてはいけないことになっている。捕手に対してはそういった規則はないが、ブツブツと呟きながら足早に動き回っている捕手も多い。試合前のデータ分析、バッテリーミーティングに加え、打撃練習も加わり、目が回るような忙しさだ。データ野球の発展により、捕手の役割は年々増加している。
「肝心なのは準備だ。準備ができていればピンチの時により早く、より良い決断を下すことができる。でもデータが全てではない。投手のコンディション、打者の反応など自分の目で見えることにも注意を払わなければならない。正しい判断をするためにはデータと感覚のバランスが最も大事なんだ」
そしてこう続ける。
「大変だけど楽しいよ。挑戦しがいがある」
スミスが捕手を始めたのは大学からだ。
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