メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平の“英語力”じつはドジャースで急成長していた「エンゼルス時代は近づきにくい側面も…」ロバーツ監督の証言「本当に自立した男になった」
text by

阿部太郎Taro Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/19 11:08
ドジャース2年目の開幕を迎えた大谷翔平。番記者がキャンプで感じた“変化”とは
元通訳がいたエンゼルス時代は近づきにくい側面も…
昨年3月、元通訳の水原一平氏の違法賭博問題で、大谷もチームも大きく揺れた。だが、大谷はシーズンを通してあの事件を乗り越えるだけでなく、自身の英語力やコミュニケーション力を前進させたという見方もある。
3月9日の監督の定例会見。水原氏の違法賭博問題から1年弱、大谷はどう対応したかと問われて、監督はこう答えた。
「私が学んだのは、彼が本当に自立した男になったということだ。英語もかなり上達した。多くのことを一人でこなし、どんなパイプ役も持たずにやり遂げた。彼はスタッフやチームメートに、より心を開いて、正直にポジティブに前進している」
ADVERTISEMENT
エンゼルス時代、大谷と誰かの会話は多くの場合、水原氏を介してのものだった。“2人の世界”には、近づきにくい側面もあったかもしれない。だが、今はロバーツ監督がいう「緩衝材」はない。ドジャースのクラブハウスを一人で歩き、トレーナーやコーチらと意見交換する。広報とは自身の予定などについて話し合う。
それが日常となっている。
佐々木朗希やキム・ヘソンの歓迎会を…大谷の変化
シーズン中は選手とスタッフ、コーチとの関係がなかなか見えづらいが、キャンプはクラブハウスに入る機会も多く、練習もじっくりと見ることができるため、その関係性がよくわかる。
大谷は今キャンプに参加する前のファンフェスタで、「去年と今年で、佐々木投手も入ってきて、また違う感じになるんじゃないか」と語った。あまり外食をしなかった男が、このキャンプでは佐々木朗希やキム・ヘソンの歓迎会を開き、ベテランのロハスが日本食レストランで開いた食事会にも参加した。
昨年は史上初の「50-50」を達成し、悲願のワールドチャンピオンに輝いた。濃密な1年は想像以上に、大谷の内面をさらに成長させたのかもしれない。
技術の進化は当然のことだが、大谷のドジャース2年目は心のゆとりと余裕をいっそう感じさせる。


