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「ピッチャー大谷翔平は必要か?」ドジャース先発投手“多すぎる問題”…でも、じつは“不安”だらけな実情「米記者の懸念…全員が故障がち」

posted2025/03/19 17:00

 
「ピッチャー大谷翔平は必要か?」ドジャース先発投手“多すぎる問題”…でも、じつは“不安”だらけな実情「米記者の懸念…全員が故障がち」<Number Web> photograph by Robert Gauthier/Los Angeles Times via Getty Images

二刀流復活へ、着実に準備を進めるドジャース大谷翔平

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Robert Gauthier/Los Angeles Times via Getty Images

 日本での開幕を迎えたロサンゼルス・ドジャースは、今季もMLB優勝候補の筆頭と目されている。投打両方にスター選手が敷き詰められたパワーハウスは2連覇を射程圏内に捉えているのだろう。特に投手陣には多くの実績ある選手が名を連ねており、どう起用していくのかに興味はそそられる。

 また、今季から“二刀流”に戻る大谷翔平はどんな使われ方をされていくのかも注目ポイントといえよう。特に大谷は今春、ドジャース首脳陣の進言であえて投手としての調整ペースを落としたとされるが、その真意も気に掛かる。

 それらの疑問を解き明かすため、『ロサンゼルス・タイムズ』でドジャース番記者を務めるジャック・ハリス氏に言葉を求めた。ロサンゼルス・エンゼルス時代から大谷を取材した経験を持つハリス記者は、今季のドジャースが多すぎると思えるほどの先発投手を揃えた理由と、大谷をスローダウンさせた要因は理に適うと見ているようだ(以下、ハリス記者の一人語り)。

“多すぎる”と話題のドジャース投手陣

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 今季のドジャースは多くの好投手を抱えており、明らかにトップレベルの才能を持った選手もたくさんいる。

 ブレイク・スネル、タイラー・グラスノー、山本由伸、佐々木朗希、ダスティン・メイが先発ローテーションを構成しそうで、さらにトニー・ゴンソリン、ボビー・ミラー、ランドン・ナックもいる。それに加え、シーズン中には大谷翔平、クレイトン・カーショウも復帰してくる。

 私の見立てでは、ポストシーズンのシリーズ第1戦で先発が務められるレベルのピッチャーは6人いると思う。中でも鍵を握るのは山本、グラスノー、スネルの3人だろう。彼らがそれぞれ健康を保ち、いい投球をしてくれれば重要な核になる。

 朗希は今年の陣容の中ではいわばワイルドカード的な存在であり、学ばなければならない部分は多いが、とてつもない才能に恵まれていることは間違いない。これらの投手たちが額面通りの働きをしたとすれば、翔平はレギュラーシーズン全体を通しては必ずしも必要ではなくなるかもしれない。

 野球界には“投手陣は決して十分ではない(You never have enough pitching)”という言葉があるが、“投手が多すぎる”という状態になる可能性があるチームが存在するとしたらそれは今年のドジャースだろう。多くの投手が健康を保った場合、特に先発投手は余ってしまう。そんなタイミングで“レジェンド”のカーショウが復帰して来たら、いったいどう起用するのだろうと興味は惹かれる。

 その一方で、ドジャースが投手陣に層の厚さを求めて来たのには正当な理由がある。

【次ページ】 「全員が故障がち」「昨季も大変だった…」

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