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「朗希を獲得できたら一段上のチームになれる」ドジャースのミゲル・ロハスが“背番号11”を佐々木朗希に譲ったワケ「新しい11番の歴史ができる」
posted2025/03/19 11:04

ドジャースで自身がつけていた背番号11を佐々木朗希(右)に譲ったミゲル・ロハス(左)が、その理由を明かした
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及川彩子Ayako Oikawa
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Getty Images
野球選手にとって背番号は大きな意味を持つ。
メジャーリーガーも同様だ。昇格が決まると思い入れのある番号を選ぶ選手が多い。例えば大谷翔平は花巻東高時代に最初につけた背番号「17」を、同じくドジャースのムーキー・ベッツはボストン・レッドソックスにドラフトされた時の「50」を今もつけている。
背番号にはいろいろな思いが詰まっている。佐々木朗希に11番を譲ったミゲル・ロハスもその一人だ。
ロハスにとって背番号「11」の意味
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ロハスが背番号を11番に変更したのは2022年のマイアミ・マーリンズ時代だ。
「11番は子供の頃につけていた番号なんだ。その背番号でプレーする僕を祖父母や母はいつも応援してくれたんだ。マーリンズではそれまで19番を付けていたけれど、2022年に祖父と母を亡くした後に彼らにメジャーで11番をつけてプレーする姿を見せられればよかった、と後悔した。本当に申し訳ない気持ちで一杯になった」
ロハスが幼い頃、母ノーマさんが離婚し、母方の祖父母とノーマさんがロハス兄妹を育てた。医者だったノーマさんは大黒柱として家族を支え、子供たちの夢を応援するために身を粉にして働いた。祖父母はノーマさんの代わりに子育てを一気に引き受けた。
「小さい頃に祖父から野球を教わり、すぐに夢中になった。将来はメジャーリーガーになりたいと思って毎日遅くまでプレーした。祖父、祖母、そして母は僕の夢のために色々なことを犠牲にしてくれたんだ」
少し目を潤ませながら話す。
ロハスは2006年、17歳の時にレッズと契約。6年間マイナーリーグで過ごした後、ドジャースに移籍し、2014年6月に念願のメジャー昇格を果たした。
「昇格を告げられてすぐにベネズエラの家族に電話をした。僕の夢は家族の夢だったから、皆とても喜んでくれた」