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「ピッチャー大谷翔平は必要か?」ドジャース先発投手“多すぎる問題”…でも、じつは“不安”だらけな実情「米記者の懸念…全員が故障がち」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byRobert Gauthier/Los Angeles Times via Getty Images

posted2025/03/19 17:00

「ピッチャー大谷翔平は必要か?」ドジャース先発投手“多すぎる問題”…でも、じつは“不安”だらけな実情「米記者の懸念…全員が故障がち」<Number Web> photograph by Robert Gauthier/Los Angeles Times via Getty Images

二刀流復活へ、着実に準備を進めるドジャース大谷翔平

 ある程度想定通りに物事が運んだとすれば、先ほども言ったように、ドジャースは翔平には20〜25回も先発してもらう必要はない。ただ、健康時の翔平は球界最高級の投手だから、重要なゲームでマウンドに立ってもらいたい投手ではあるはずだ。2度目のトミー・ジョン手術からどれだけ回復できるのかは未知数だが、いい状態であるのなら、プレーオフの時期にそのコンディションをベストに持って来られるようにチームは全力を尽くすのだろう。

 シーズン中に翔平に頼る必要がないほど良い状況であれば、逆に10月に新鮮な身体で投げさせられる可能性が高まる。そう考えていくと今春、ドジャースが翔平の投球練習をスローダウンさせた理由も見えてくる。

 翔平がキャンプ中、しばらくブルペンでの投球練習をしなかったことが話題になったが、デーブ・ロバーツ監督とマーク・プライアー投手コーチはどちらも「身体的な問題がその理由ではない」と語っていた。これまで述べてきた通り、開幕に向けてのドジャースには先発投手陣の選択肢がたくさんあり、だとすれば現在、翔平には打撃に集中させたいという説明は理に適う。特に翔平はオフにトミー・ジョン手術だけでなく、左肩の手術も受けたことを考慮すれば慎重になるのは無理もない。

 もちろん、これまでに翔平が経験してきた多くの故障を振り返れば、投球練習を中断した際に周囲が色めき立ったのは当然ではある。今後また予定、方向性が変わっても不思議はない。ただ、少なくとも現時点で、投手としての復帰過程のスローダウンは意図的なものに思える。プレーオフまでの長い時間を考慮して、うまくピーキングできるように周囲が配慮した上での対応だったと考えている。

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