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日本代表W杯への課題“クロスからの決定力”が異様に高い未招集FW「上手くハマってる」「“ある準備”を知ること」小川航基27歳が語るヒケツ
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byVCG/Getty Images
posted2025/03/27 11:52
2024年11月のW杯アジア最終予選アウェーでの中国戦、小川航基はゴールを奪って久保建英と喜ぶ
2024年10月のW杯アジア最終予選、サウジアラビアとのアウェーゲームで、チーム2点目を決めたのが小川だった。76分に交代でピッチに入ってから5分後、CKからのボールを頭でたたきつけた一撃は、サウジアラビアとのアウェーゲームでの歴史上初勝利(2−0)につながった。試合後、チームメイトからこんな風に声をかけられた。
「あの時間帯であれだけのジャンプができるのは、さすがだな! あれは交代選手しかできないプレーだよ。本当にデカかったわ」
正しい場所に入れば仕留められる自信が
小川が振り返る。
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「タイミングよく、正しい場所に入っていければ、仕留められるという自信はあったので、あれは狙い通りでした。確かに、僕は途中から試合に入ったばっかりだったから他の選手よりも高く跳べるという面はありました」
途中交代で入るときのメリットについては、こう解説する。
「試合開始から80分以上経った時点で、ああいうボールが来た時にしっかりと跳べるか。試合の最後まで走れるか、走れないか。激しく上下動できるかどうか。そういうところも、試合に勝つためには非常に重要なポイントになると思います。1対1の局面で一歩前に出るとか、クロスボールに対応するときに高く跳べるかどうかも、フレッシュであるはずの交代選手には求められるところだと思います」
第2回で記したように、サブとして投入される試合ではいつも、小川は悔しさを覚える。だから、途中交代でピッチに入るときには、ゴールだけではなく、ゴール以外の仕事でも圧倒的な存在感を放とうと考えている。
海外と日本の“クロスに合わせる”意識の違いとは
そんな小川のゴール前での競り合いにおける強さと上手さの秘密は、2023年にヨーロッパへ渡ってから、クロスへ合わせる際の意識を変えたことだ。
「海外と日本の選手では、ディフェンスの種類というかタイプも違うので」
そんな前提とともに切り出した小川は、その違いについてこう言語化する。

