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「久保建英が絶叫…悔しそうに顔面を」マンUを本気で倒しにいった“核心の1枚”カメラマンが間近で激写「同点弾演出CKだけじゃない」激情ぶり
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/03/10 17:01
ELマンチェスター・ユナイテッド戦での久保建英。赤い悪魔相手にカメラマンが見た“激情”とは
一進一退のジリジリした展開に、1週間前に行われた国王杯準決勝レアル・マドリー戦――久保が古巣相手に丁々発止のやり合いもあった――で沸き起こったほどの熱狂をスタジアムに起こすことができなかった。その中でも久保は、CK、FKのキッカーとして左足からの鋭いパスを送り、ソシエダのゴール機会を創出した。
ここまでチーム内のプレースキッカーとしては、ブライス・メンデス、セルヒオ・ゴメスの後塵を拝していたが、特にここ数試合で久保がキッカーを務める機会が増えており、チーム内序列の変化を感じさせている。CKのキッカーとして久保が観客席付近へ近づいた際にも、最前列のファンたちから声が上がっていて期待の高さを窺わせた。
同点弾誘発のCK…その前に見せた久保の勇気
後半に入るとホームチームが攻勢を強めていった。
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特に右サイドの久保は、プレーの強度を上げ再開早々からサイドを突破し右足で際どいクロスを送り込んだ。ゴールには直結しなかったものの、ニアに飛び込んだオヤルサバルとアイコンタクトを取り、感触の良さを表現している。
しかし後半12分、マンチェスターUのカウンターからザークツィーに先制点を奪われてしまう。リズムが好転し始めた矢先の失点に思わず俯くソシエダイレブンの姿があった。
ビッグクラブ相手の失点には、選手だけでなくファンをも意気消沈させる影響があったが、それを見事に引き戻したのが、久保のCKから生まれたPKによる同点ゴールだった。
CKが注目されがちだが――きっかけは流れの中からだった。久保が勇気をもって自身のポジションを捨てて中央でのプレーを見せると、シュートからCKを得た。
久保の蹴ったカーブのかかったボールに合わせたナイフ・アゲルドのヘディングシュートが、ブルーノ・フェルナンデスのハンドを誘発した。ゲームは一時そのまま進んだが、VARの介入によりPKの判定が下された。キッカーのオヤルサバルが、しっかりとゴールを決め切って1-1の同点とした。
絶叫…顔と身体全体で悔しがる久保を間近で
印象に残るのは、同点ゴールを生んだ一連の流れだけでない。
ホームでの先勝を目指して追加点を狙うソシエダは、久保を起点にさらなる攻勢を見せた。ブライスとのパス交換、そして自身のスキルで突破してゴール前に送ったクロスが直接GKにキャッチされた際のことだった。






