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余白の国スペインで許されなかったベリンガムの「Fワード」。
posted2025/03/13 09:00

2月15日の試合でレッドカードを提示され、一発退場となったジュード・ベリンガム
text by

豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Getty Images
昨年、スペインを揺るがしたニュースがあった。現場は最大手のスーパー「メルカドーナ」。勤務歴16年の店員(素行よし)が廃棄処分となった食材のカートからコロッケをつまみ食いした。即解雇。しかし司法は咎めなかった。裁判所は彼を無罪とし、スーパー側に4万ユーロの支払いと再雇用を通告。判決文にこうある。「例外的な単発の事象だった」。規則上はアウトだ。でも、まあそういうこともあるだろう。スペインは許容と余白とともに歩んできた国だ。
一方、ジュード・ベリンガムに対して容赦はなかった。英国からやってきた好青年はパンプローナでの試合中に主審に暴言を吐き退場となり、2試合の出場停止処分を受けた。いわゆるFワードを発したそうだ。
