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大阪マラソンで黒田朝日が学生記録を更新…なぜ青学大はマラソンで成功できる?「普段のレースと変わらず準備、40km走ナシ」でも快記録連発のワケ 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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posted2025/02/25 17:42

大阪マラソンで黒田朝日が学生記録を更新…なぜ青学大はマラソンで成功できる?「普段のレースと変わらず準備、40km走ナシ」でも快記録連発のワケ<Number Web> photograph by JIJI PRESS

大阪マラソンで学生新記録をマークした青学大3年の黒田朝日。30km以降は練習でも走ったことはなく、全く未知の領域だったというが…

 日本陸連の高岡寿成シニアディレクターは、レース後の記者会見で青学大勢の躍進について問われ、こう語っていた。

「箱根駅伝をゴールに定めず、その先に定めるようになったのが大きな理由じゃないかと思う」

 ただ、このコメントを聞いて、少し違和感を覚えた。おそらくこれは因果関係が「逆」なのではないか。

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 箱根駅伝の先の目標としてマラソンを据えたのではなく、むしろマラソンで日本代表を狙うようなレベルでなければ、今の青学大では箱根路の主力になることができないのではないか。それはレース後、「今後のマラソンでの世界挑戦」を問われた黒田のこんな答えにも表れている。

「別にそんなに世界にこだわってやりたいわけじゃないので。学生である以上、目指すところは三大駅伝で活躍すること。直接つながるかはわからないですけど、今回はすごく自信になるレースになりました」

マラソンを「箱根に活かす」という逆転現象

 マラソンでつけた自信を、三大駅伝に活かす――。それは極論すれば、もはやマラソンが駅伝のためのトレーニングの場になっているとも取れる。その逆転現象は、非常に興味深い。

 これまでも学生ランナーでマラソンに挑戦する選手は少なくなかった。ただ、いずれも「駅伝とは別物」と捉えたうえで、有力選手が五輪や世界陸上を視野にトライするケースがほとんどだった。

 一方でいまの青学大は、下級生なら「マラソンから箱根へ」、4年生なら「箱根の余勢を駆ってマラソンを走る」、そんな風に箱根駅伝を核に置いたうえでの新しい流れができつつある。昨今の青学大は、かつてのステレオタイプを悉く破壊しているのだ。

【次ページ】 「異なるタイプ」のランナーが結果を出した意味

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