大阪マラソンで黒田朝日が学生記録を更新…なぜ青学大はマラソンで成功できる？「普段のレースと変わらず準備、40km走ナシ」でも快記録連発のワケ 

　黒田はもともと3000m障害で実績を持って入学してきた選手だ。それもあって、今後力を入れる種目の方針を問われても、あっけらかんとしていた。

「（次のマラソンは）考えていないです。どうなるかはわかんないですけど、自分のやりたいようにやれればと思います」

　確かにマラソンも走れた。でも、それだけにこだわる必要はない――。青学大の選手たちはある意味で、これまでとは次元の違うフェーズに入っているのかもしれない。

「異なるタイプ」のランナーが結果を出した意味

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　そしてもうひとつ驚かされたのが、別府大分毎日マラソンで好走した若林宏樹と白石光星、そして大阪の黒田と、タイプの違う選手たちが皆、マラソンで学生歴代上位に食い込むような結果を残したことだ。

　黒田は上述のように天才肌のオールラウンダーで、比較的距離を踏まなくてもロードもトラックもどちらも走れる。法大の名ランナーだった父・将由さん譲りのセンスを持ったタイプだ。

　一方の若林は箱根の山上りに対応するため、大腿四頭筋などのフィジカルトレーニングに注力してきた。1万mで27分台の記録を持つとはいえ、本人の言葉を聞いていても「山特化」へのこだわりが強いランナーである。そして白石は箱根では復路を担当し「僕は凡人なのでジョグの量と質を極めてきた」と語る叩き上げタイプである。

　一見すればバラバラな性質をもった選手たち。

　それが、そろってマラソンという難種目で全員結果を出した。それは原監督のいうところの「青学メソッド」の破壊力を如実に表している。どんなランナーであっても結果に繋げられたという方法論は、チームに自信を与え、ますます強くしていくことになる。

　そして、そうであるとするならば。今後は、更なる楽しみも待っている。

　今週末、3月2日の東京マラソン。

　青学大からはエースのひとり、太田蒼生が出走する。箱根の山から吹き始めた青学旋風は、一体どこまで続くのだろうか。

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なぜ大阪マラソンで青学大・黒田朝日は学生新記録を出せた？「世界にこだわっているわけじゃない」“マラソンから駅伝”という「原晋メソッド」の行方