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「他局には出られない」人気絶頂の小林尊を“テレビから消した”独占契約問題…伝説のフードファイターはなぜ“賞金1000万円の引退試合”を行ったのか?
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荘司結有Yu Shoji
photograph byTakuya Sugiyama
posted2025/02/17 11:02
「大食い界のプリンス」と呼ばれた伝説のフードファイター・小林尊のインタビュー(最終回)
引退の裏で小林が考えていた「大食い界への願い」
当日、会場は両陣営のTシャツを着た観客で埋め尽くされた。屋外の観戦場所も1000人以上のファンが押し寄せた。結果は小林が66個、チェスナットが83個。因縁の対決には敗れたが、小林の表情に曇りはなかった。
「勝負には負けたけれど、世界一を決める大会を作り上げたという事実は変わらないかなって。どちらかと言えば、リタイアする前になにか置き土産を残したいという思いのほうが強くなっていたのかなと思うんです。ネイサンズが圧倒的な権力を持っている中で、それを崩すものを作りたかった。今後、選手の活躍の場が広がればいいし、業界に新しい風が吹くといいなと思っていますね」
徹底したルールのもと、大食いをスポーツの次元へと押し上げる。それは小林が人生をかけて追い続けた、大食いの理想形だった。《インタビュー第1回、第2回も公開中です》
(撮影=杉山拓也)

