メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷翔平でも苦労した」身長178cmの今永昇太がメジャー強打者を封じた要因は「美しいバックスピンと…」最先端分析でズバリ〈開幕投手決定〉
text by

間淳Jun Aida
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2025/02/20 17:00
2024年オールスターでの大谷翔平と今永昇太。この年の対戦成績では今永が完璧に抑えている
2024年の対戦成績は5打数無安打。象徴的なのは、初対戦となった4月7日の第1打席だ。今永はフルカウントからの9球目、内角高めに151キロの速球を投じて大谷を空振り三振に斬った。
この打席では、9球のうち6球が速球だった。全てが内角で、5球が高め。大谷がスイングした5球はファウルと空振りだけだった。特に、カウント3ボール1ストライクから投じた内角高めの1球は、速球を狙っているように見えた大谷が振り遅れ、バットの上を投球が通過していた。
この試合の2打席目も、今永は内角高めの速球で大谷を三塁へのファウルフライに打ち取った。そして、9月10日の試合でも、第1打席は内角高めの速球でショートフライに抑えている。今永は内角高めの速球と外角低めのスイーパーを組み合わせ、大谷を無安打に封じた。
大谷選手でも苦労していたと言えます
ADVERTISEMENT
ただ、スイーパーはコースや高さが甘くなると、大谷に対応されている。結果こそアウトになっているが、9月10日の第2打席は真ん中低めのスイーパーをバットの芯でとらえられて、強烈なファーストゴロ。第3打席も外角高めのスイーパーをライトのフェンス際まで運ばれている。
神事氏が2人の対戦を分析する。
「大谷選手が右投手ほど左投手を得意としていないことを大前提として、今永投手の速球とスイーパーの組み合わせに苦労していたと言えます。大谷選手を打ち取っている速球は高めです。高めに投じていることが今永投手の投球を生かす重要なポイントになっています」
大谷との対戦傾向以外の投球割合、そして研究してくるであろう今季の大谷との対戦を展望すると――今永が今年、2年連続でメジャーで活躍するためのポイントも見えてくるという。〈つづく〉

