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今永昇太と鈴木誠也だけでない…カブスの“日本産”戦力「大谷翔平とは興味深い対戦に」「本当にできるのか?」分析企業が電撃サポート契約の真相
posted2025/02/20 17:01

今永昇太と鈴木誠也が所属するシカゴ・カブス。今季から日本の分析企業がサポート契約を結んだ。その真相とは?
text by

間淳Jun Aida
photograph by
Nanae Suzuki
大谷を封じたスイーパー、では右打者には?
2024年、シカゴ・カブスの今永昇太は第1回で触れた大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)との対戦からも分かるように、左打者に対する投球は速球とスイーパーの割合が突出している。この2つの球種で全体の77%を占めている(今永投手の球種割合の図。外部配信でご覧の方は関連記事からご覧になれます)。今永のスイーパーは曲がりの大きさが特徴で、左打者の体から遠ざかっていく軌道を描くため長打のリスクを低く抑えられる。
一方、横に大きく変化するため、右打者には死球の不安が高くなる。右打者に対してスイーパーの割合が極端に低くなっているのは、そのためだ。メジャーでは死球によって報復される可能性もあることから、投手は神経質になりやすい。
今永は右打者にも主に2つの球種で勝負している。スイーパーに代わる武器がスプリット。速球とスプリットの2つで、右打者への投球割合は86%に上る。
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今永のスプリットについて、スポーツ科学を応用したパフォーマンスアップサービスを提供する「ネクストベース」で上級主席研究員を務める神事努氏が解説する。
「落差の大きさに加えて、速球との球速差が理想的です。スプリットの球速は速い方が良いと勘違いされていますが、速球との球速差が小さいと空振りを取れずにゴロになってしまいます。速すぎるとツーシームのようになって、バットに当たる確率が高くなるわけです」
今永のスプリットは平均球速が133キロ。速球の147.5キロに対して、90%のスピードとなっている。神事氏は「これ以上スプリットの球速が下がると打者に対応されやすくなりますが、ちょうど良い球速差になっています。打者がスイングした時、まだ投球が来ないという状態をつくって奥行きで勝負できています」と語る。
大谷も攻略へデータを積極活用してくるはず
2024年、15勝をマークした今永には、他球団がデータを駆使して攻略する方法を模索する。今季の活躍に向け、神事氏は「速球の球速アップ」または「球種の追加」、2つの選択肢を挙げる。