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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平「投手でも可能性が高いなら」“二刀流復活=積極走塁減少”は本当か「ベッツ、トラウトでもそうだ」大谷23歳時を知る三塁コーチの証言
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/02/09 17:01
二刀流復活イヤーの2025年、「走る大谷翔平」の姿はどれだけ見られるのか
それは2021年5月15日のレッドソックス戦だった。大谷は初回無死一塁で左翼線へ運び、二塁手前まで快足を飛ばしたが、一塁走者が三塁を狙わず二塁に止まったまま。大谷は慌てて一塁へ戻ろうとしたがアウトになった。
「翔平は無理をし過ぎた。自動車事故では背後の車に責任があるもの」
当時のジョー・マドン監督らしい独特の表現で、積極的過ぎた大谷の走塁を窘めていた。
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本来、これらの場面で大谷のコメントを聞いて深掘りすべきだと自覚している。一方で試合後取材では走塁以外に聞くべきことが発生し、大谷の“思うところ”を質問しきれないケースが多い。それほど大谷が投打で日々規格外のパフォーマンスを続けていた証でもあるが、取材者としては反省点でもある。
大谷が語った「投手として投げていたとしても…」
右肘手術から2年ぶりに投手復帰する大谷は、新シーズンに向けて準備を進めている。2025年は昨季より盗塁、積極的な走塁が減る――という見方が多数を占めるが、果たしてどうなるか。ロバーツ監督は、昨年12月4日の来日時に「(今季の大谷の)打席数は少し減ってくると思う」と語っていた。
これらの“予測”に対して大谷は12月9日(日本時間10日)、報道各社のオンライン合同インタビューで、次のように答えている。
「もちろん数字は積み重ねでしかないので。特に盗塁に関しては、成功数よりも失敗数の方が僕は大事にしたいなと思っている。何本を企図するかより、企図した中でしっかりと成功する割合が高ければ、それが勝利につながる可能性がもちろん高いと思う。そこのまずは大前提として、失敗を減らしていくという作業をしながら、いけるときにはいく姿勢というのは……たとえ投手としてその試合の中で投げていたとしても、進塁したほうが可能性が高いのであれば、もちろんいく準備はしたいなと思っています」
大谷はいつだって想像を超えてくる。シーズンが終わる頃には、まだ誰も想像していないような記録を叩き出している気がしてならない。〈第1回からつづく〉

