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大谷翔平「投手でも可能性が高いなら」“二刀流復活=積極走塁減少”は本当か「ベッツ、トラウトでもそうだ」大谷23歳時を知る三塁コーチの証言 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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posted2025/02/09 17:01

大谷翔平「投手でも可能性が高いなら」“二刀流復活=積極走塁減少”は本当か「ベッツ、トラウトでもそうだ」大谷23歳時を知る三塁コーチの証言<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

二刀流復活イヤーの2025年、「走る大谷翔平」の姿はどれだけ見られるのか

 10月9日のパドレスとの地区シリーズ第4戦では、4回1死から四球で出塁すると、ベッツの中飛でタッチアップで二塁を陥れる好走塁を見せた。中堅手ジャクソン・メリルは定位置やや後方の飛球を難なくキャッチしたが、一塁走者の大谷は、ハーフウェーから一度帰塁した上で、タッチアップ。虚をつかれたメリルが慌てて内野へとボールを返したものの、悠々セーフをもぎ取った。

 その後、2死二塁からテオスカー・ヘルナンデスが三塁線へ鋭い打球を放つと、二塁走者の大谷が本塁突入。ただ、打球は不運なことに三塁手・マチャドのグラブに当たった後、三塁塁審の腕にも当たり外野まで抜けず、素早く打球処理したマチャドの返球で大谷は本塁憤死した。

 大谷がベンチに戻って当該シーンを映像で確認すると三塁塁審側に向いて、珍しく険しい表情で叫ぶ姿も話題を集めた。

脱臼だけでなくベーラン練習をしただけでも取材合戦

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 試合以外でもメディアの注目を集めたことがある。10月24日のワールドシリーズ開幕前日練習である。

 大谷が突如、普段は行わないグラウンドでのベースランニング、ダッシュを繰り返した。そのため「なぜ?」と取材合戦が勃発した。取材した結果、ワールドシリーズでの故障リスクを低減するために、試合のない21~24日の期間中、全選手にランニングメニューが課されていたことが判明した。今季一度も試合前練習にキャッチボール以外でグラウンドに現れなかった大谷の登場は、それほどインパクトが大きかったと言える。

 そして最も記憶に残るのは10月26日、ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦である。

 四球後に二盗を試みた大谷は左手を強く地面に衝き、左肩を脱臼した。それでも第3戦以降も出場を続け、ワールドシリーズ制覇に貢献。驚異的な回復力とチームスタッフの献身的なサポートもあり、負傷前と遜色ない打球速度を叩き出し、両軍関係者を、メディアを、そして日米の野球ファンを大いに驚かせた。

エンゼルス時代にも一度だけあった“監督の苦言”

 なおスポニチMLB取材班の記録として残っている“メジャー移籍後の大谷の走塁への苦言”は、今回のほかにエンゼルス時代に1度だけある。

【次ページ】 大谷が語った「投手として投げていたとしても…」

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