- #1
- #2
バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「女子もあんな風になるにはどうしたら…」NBA挑戦にBリーグ…盛り上がる男子バスケに女子代表・町田瑠唯が思うこと「まずは見に来てもらう機会を」
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byWataru Sato
posted2025/02/15 11:01
女子バスケ日本代表でも活躍する富士通レッドウェーブの町田瑠唯。W杯以降の男子バスケの盛り上がりに思うことは?
Wリーグでは毎シーズンのようにアシスト1位を記録し、その実力は誰もが認める。
正確かつ速いパスで味方の得点チャンスを大きく広げ、シューターらは町田のパスを絶賛。誰がどう動いてどこでボールをもらい、どのようにシュートを決めるのか。町田が戦術を理解し、正確に遂行しているからこそなせる業だ。
「自分はすごい選手じゃないので」と決して目立ちたいタイプではない。縁の下の力持ち的な存在でいられればというスタンスでこれまでバスケを続けてきた。自分の得点よりも、まずは味方を生かす意識が強いパスファースト。近頃は「自分が周りを生かす」よりも、「周りに生かされている」と感じることとが多い。
ADVERTISEMENT
「自分中心にはあまり考えられないタイプで、常にチームのことを先に考えています。チームが良くなるためには自分がどんなプレーをすればいいのか。どういう選択をするのがよいのか。その中で私自身はみんなの持ち味を引き出したいし、生かしたいと考えています。でも、結果的に生かされているのは私の方だなと思うんです」
アメリカ武者修行で感じた成長
一昨季には女子バスケ世界最高峰の舞台WNBAのワシントン・ミスティクスでのプレーも経験した。レギュラーシーズン36試合とプレーオフ2試合を含めた38試合すべてに出場。約4カ月間、Wリーグでも怪我以外で休むことのない鉄人はアメリカでもコートに立ち、タフな環境で戦い抜いた。
「想像以上にシビアな世界だと感じました。いつ契約を切られるかどうかわからない状態でみんな練習に来るので、練習の取り組み方一つをとってもすごく意識が高かった。日本では味わえない危機感のようなものも抱きました」
「コート上ではこれまで出せていたパスも、スペースがなく出せなかった」など、決して思うようなプレーができたとは言えない。それでも新しい世界に飛び込みチャレンジし続けた経験はかけがえのない財産になった。「チャンスがあればまたトライしてみたい」というWNBAでの日々は、間違いなくWリーグでのプレーにつながっている。
「日本とは違うパスの出し方を学び、トライできたことは大きかったですね。パスの精度や狙うところはアメリカに行ってより幅が広がったんじゃないかと思います」

