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ドイツ人番記者の視点「サノは性スキャンダルをピッチで償った」同僚に愛されるMF佐野海舟…じつは「岡崎慎司の存在」がマインツ順応の背景に
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ミヒャエル・イーベルト(『キッカー』誌マインツ担当)Michael Ebert
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2025/02/01 17:00
マインツでレギュラーを即獲得した佐野海舟。活躍ぶりの背景をドイツ人番記者に記してもらった
「このポジションのベストプレーヤーのひとりになったとしても、おかしくはない」と佐野を称えたのは、副キャプテンのヨナタン・ブルカルトだ。
「うちのチームで、もっとも大きなポテンシャルを宿しているんじゃないかな。守備的MFとして、あそこまですばしこく、速く走り続けられる選手は実に珍しい。脱帽だよ」
ドイツのトップレベルでこれほどまでに認められていながら、日本代表には2024年2月(※アジアカップ)を最後に招集されていない。ただし、クラブのスポーツディレクターを務めるクリスティアン・ハイデルは、その状況を気にかけていない。韓国代表MFイ・ジェソンが代表戦で母国に戻るたびに、疲労を抱えて戻ってくるので、むしろ佐野がクラブに集中できることを好ましく捉えているようだ。
岡崎が立ち上げたクラブ会長が橋渡し役に
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またクラブはまだドイツ語も英語も十分に話せない佐野に、入団初日から通訳をつけている。その点でマインツは人材に事欠かない。なぜならここには、2014年に岡崎慎司が仲間と立ち上げたクラブ、FCバサラマインツがあり、そこで会長を務めている山下喬が佐野と周囲の橋渡し役を担っている。
佐野にとって、マインツは欧州初挑戦の地として、最適な場所のひとつだったのかもしれない。それは今はリバプールへと渡った遠藤航のドイツ時代との比較、そして指揮官やスポーツディレクターが語った印象からもみてとれる。〈つづく〉

