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「欧州で収入は5~6万円、住居食事は…」“J2戦力外後”のプロサッカー選手、リアルな海外挑戦事情「インドネシアでは熱中症になりかけて」
posted2025/01/31 11:02
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2009年、水戸ホーリーホック時代の星野圭佑さん。Jリーガーとして4シーズンを過ごしたのち、どんなサッカー人生を送ったのか
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阿部博一/小野ヒデコHirokazu Abe/Hideko Ono
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元プロ選手と、アスリートのキャリアを追うライターの2人が契約・収入事情など幅広くリサーチし、プロサッカー選手の経験を次のキャリアにどう活かすかまでを様々な事例から分析した著書『サッカーで、生きていけるか。プロへの道筋と現実、ネクストキャリアの考え方』(英治出版)から、元プロサッカー選手である星野圭佑さんのインタビューを転載でご紹介します。〈全3回の2回目〉
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アマチュアリーグに移転しても消えない夢
Jリーガーにはなれなかったが、知人から声をかけてもらったJFLリーグ所属の栃木ウーヴァFC(現・栃木シティFC)でサッカーをすることに決めた。アマチュアリーグのため、選手は基本日中に仕事をし、練習は夕方から。試合会場へは車の乗り合いで向かったり、ユニフォームは自分で洗濯したりといった環境の違いに、最初は戸惑った。
何より驚いたのは、勝つことが目的というより、サッカーをすること自体が目的となっている風土だった。
そして、食べていくには働かないといけない。最初は土木関係の仕事をして生計を立てていた。しかし、痛めた膝は一向に良くならなかったため、思い切って手術することを決心する。リハビリ期間を含めて、長期間競技ができないことが見込まれたが、アマチュアチームに「クビ」はなく、在籍は認められた。
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ボールを蹴ることができなかった期間、病院の先生やトレーナー、理学療法士などあらゆる人を頼ったのは、「サッカーをやめる」という選択肢がなかったからだった。
「そのあいだ、自然と自己分析をし始めたのですが、何がしたいかって考えたとき、サッカー以外にやりたいことがなかったんです。やっぱりプロとしてやりたい。そして、プロとしてやるのであれば、サッカーの本場のヨーロッパでプレーしたいと思いました」
膝の治療は続け、職業安定所を頼りながら、非正規の公務員のポジションを得た。