「今はエースだけでメンバーが揃うけど…」青学大“箱根駅伝4連覇”のウラにあった“叩き上げ組の底力”秘話「原晋監督もそれを見越して…」 

　一方の田村さんは、3年時の全日本大学駅伝のエントリーメンバーに名を連ねたものの「あと一歩が足りず」、結局三大駅伝を走れずに卒業を迎えた。

　それでも当人は、二軍寮での半年間が「あって良かった」と振り返る。

「あそこに行ったから頑張れるようになったし、『頑張ろう』という気持ちにもなった。何より自分も含めて、這い上がった人が頑張っている姿を後輩たちに見せることも大切な部分なのかなと思うようになりました」

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　4年生の時には町田寮の寮長としてチームを支えた。その時にも二軍寮での経験を生かし、自らのスタイルで役職を務め上げたという。

「僕はもともとあまり人に強く言えるタイプではなかったんです。二軍寮の時は一緒に生活していた5人の距離が近かったので、日ごろからコミュニケーションを密に取っていました。その時を思い出して、寮長になった時には1年生から4年生までみんなと話そうと思って、なるべく色んな選手に話しかけるようにしていました」

「結局、箱根を走ることはできなかったけど…」

　大学卒業後は、一度は競技を離れて会社勤めをしていた。

　だが、プロランナーに転身した先輩の神野大地さんの活動をサポートしていくうちに、自らもトレイルランナーとして競技に復帰した。青学大で過ごした4年間の裏付けもあって、今や国内トップレベルの活躍を見せている。

「結局、箱根を走ることはできなかったですけど、それでも青学大に行ったことは全く後悔していません。あの環境だったからこそ、しっかり記録を伸ばすことができた。二軍寮も含めて、今になって改めて『青学大の育成システム、本当にしっかりしてたな』と思います（笑）。その4年間を経験できたのは、大きな意味があったと思います」

　そこには、もちろん「あの」二軍寮での半年間の経験も含まれている。

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青学大の箱根駅伝“黄金の4連覇”を支えた「二軍寮」のナゾ…原晋監督は「這い上がってこい」でも「崖っぷちなのは事実」 経験者が語るサバイバル