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「今はエースだけでメンバーが揃うけど…」青学大“箱根駅伝4連覇”のウラにあった“叩き上げ組の底力”秘話「原晋監督もそれを見越して…」

posted2025/01/21 11:03

 
「今はエースだけでメンバーが揃うけど…」青学大“箱根駅伝4連覇”のウラにあった“叩き上げ組の底力”秘話「原晋監督もそれを見越して…」<Number Web> photograph by (L)JIJI PRESS、(R)本人提供

二軍生活を経験した池田生成さん(左)や田村健人さんといった「叩き上げ」組の突き上げが青学大の4連覇達成と常勝軍団への礎を築いた

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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(L)JIJI PRESS、(R)本人提供

 原晋監督のもと、2025年の箱根駅伝で8度目の総合優勝を果たした青山学院大学。そんな青学大の歴史の中でも燦然と輝くのが、2015年からの箱根駅伝4連覇の金字塔だ。当時、チームの隆盛を支えたひとつに「二軍寮」出身の選手の活躍がある。実は青学大では、ケガを抱えていたり、実力的にいま一歩の選手は、他の選手たちとは異なる場所で生活することになっており、そのシビアさもまた常勝軍団の一面でもある。そんな二軍寮を経験した選手が語る当時のリアル・サバイバルとは。《NumberWebインタビュー全3回の3回目/#1#2へ》

一度は二軍寮にいたからこそ…「心は強かった」

 2年生を終える頃、青学大駅伝チームの「二軍寮」に送られていた池田生成さんと田村健人さんは、一軍復帰を果たしていた。一方で、一軍でも駅伝メンバー争いは厳しさを増していた。結果的に、2人ともなかなか大会での出番を勝ち取れずにいた。

「自分が頑張って強くなっても、みんなも強くなっている。でも、そこをどう乗り越えていくかをいつも考えていました」

 田村さんがこう話すように、箱根駅伝で優勝も果たしたチームでメンバーを勝ち取るには、これまで以上に力を付けなければならなかった。それでも、2人の心が折れることはなかった。

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「一度は二軍寮にいたからこそ、心は強かったと思います」

 二軍での経験は心の鍛錬にもなっていた。出番が訪れるのを信じて、地道なトレーニングにこつこつと取り組んだ。

 上級生になり、最初に頭角を現したのは池田さんだった。

 関東インカレでは3年時、4年時とハーフマラソン(2部)で連覇。ラストイヤーでは箱根駅伝でも復路のエース区間である9区を走り優勝メンバーに名を連ねた。

 ちなみに池田さんが走った9区は、二軍寮の経験者が走ることが多かった。初優勝時の藤川拓也さんもそうだ。池田さんの翌年に走った近藤修一郎さんもまた、二軍寮から這い上がった選手だった。

【次ページ】 「青学じゃないと強くなれていなかった」

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