箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「ピクニック気分? いや~、なかった!」青学大・原晋監督が戦慄…箱根駅伝で“異次元の区間新”駒大・佐藤圭汰の衝撃「(状態は)80%ぐらいです」
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by(L)Nanae Suzuki、(R)Yuki Suenaga
posted2025/01/04 11:01
「復路はピクニックランで」と自信を見せていた青学大の原晋監督(左)だが、駒大の大エース・佐藤圭汰(3年)がその目論見を崩すことに
結果論になるが、谷中も区間6位で耐え1つ順位を上げる粘り強さを見せただけに、藤田監督の判断は吉と出たと見ることができる。今回の箱根駅伝が最後まで目を離せない展開になったのは、間違いなく復路での佐藤の快走があったからだった。
佐藤は、走れなかった期間、ヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)やニールス・ラロス(オランダ)といった、世界の舞台で活躍するヨーロッパ選手の動画を見てモチベーションを高めていたという。
「こんなところでケガをしてくよくよしていたら、絶対にこういう選手たちに追いつけない。自分も頑張らないとなって思いました」
箱根の距離は「これからのトラックレースに活きてくる」
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佐藤はもともとトラック種目を得意とする選手で、トラックで世界を目指している。一方で、前回の箱根3区、そして今回の7区とハーフマラソン超の距離にも対応できることを証明した。
「このハーフマラソンを走る能力をつけられたことは、これからのトラックにも活きてくると思います。本当に良い取り組みができました」
このスタミナをベースに、今年は新年度に入学してくる800m日本記録保持者の落合晃(滋賀学園高)とともにトレーニングし、スピードを磨いていくという。
「5000mは12分台に行かなくちゃいけない。1500mだったら3分33秒まではいかないと。そういうトレーニングをしない限りは、世界には行けない。それには落合の力も必要。お互いの力で、そういうチャレンジをしていきたい」(大八木総監督)
昨年はケガで足踏みをしたが、その間に佐藤は内転筋など臀部や太もも周りの筋肉を使えるように動きを改善してきた。怪我の功名があり、さらに新しい練習パートナーを得た佐藤が「100%」の力を発揮した時、果たしてどんなパフォーマンスを見せるのか。
おそらく今回の箱根路以上に、我々は度肝を抜かれるのではないだろうか。