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「この順位はヤバい」青学大“1区10位”の誤算でも…じつは余裕だった? 原晋監督が予言していた“箱根駅伝の圧勝プラン”「普通に走れば独走」 

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齋藤裕

齋藤裕Yu Saito

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/01/02 21:35

「この順位はヤバい」青学大“1区10位”の誤算でも…じつは余裕だった? 原晋監督が予言していた“箱根駅伝の圧勝プラン”「普通に走れば独走」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

箱根駅伝の1区で10位とやや出遅れた青学大の宇田川瞬矢(3年/写真右)。それでも、原晋監督の“圧勝プラン”に大きな狂いはなかった

「若林(宏樹・4年、5区)にわたるまでに2分以上の差をつけて気楽な気持ちで山決戦に臨むことができれば、おのずと復路についてはピクニックランができるのではないかなと思っています」

 山決戦で勝つのではなく、山決戦までの布陣で勝てるチーム。楽しげな雰囲気漂う「ピクニックラン」の予告。その余裕の源泉は指揮官の箱根必勝プランにあった。昨年の箱根駅伝は「勝てると思っていなかった」と吐露していた指揮官が今年は手応えを隠さず、2日のスタート直前に文化放送のリポーター・柏原竜二の取材に答え、「往路のオーダーは盤石。これで負けたら原メソッドの終焉」と言い切ってみせた。

宇田川への“お小言”も「1区とか…もう少し楽にできた」

 2日に発表された往路のオーダーを見ていくと、昨年と3人が同じメンバーだった。前回区間賞の黒田朝日(3年)は昨年と同じく2区。昨年3区で逆転首位を勝ち取った太田蒼生(4年)は4区に。そして昨年区間新を記録した若林を同じ5区に配置している。箱根駅伝初出場の3区・鶴川正也(4年)と1区初出走の宇田川という未知数はあるものの、「史上最強」と称された昨年の駒大を撃破した「勝利の方程式」の骨格は残ったままだった。

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 だから「普通に走れば独走」。1区の宇田川が自分を過度に責めることがなかったのは、原監督が抱く圧勝のイメージを共有できていたからだろう。中央大・吉居が思いもよらぬ速さで飛び出し離されていく時、思い浮かんだのはこんな考えだった。

「うちの後ろの 2、3、4、5、6、7、8、9、10 が追いついてくれる」

 逆転による往路優勝後、日本テレビのインタビューで原監督から“お小言”をもらった。

「1区とか、3区とか。もう少し(他の区間を)楽にできる場面があった」

 箱根へのピクニックはまだ折り返し地点。大学3年生は悔しい思いも感謝も持ち帰って、大手町で仲間を待つ。

<「2区編」「3区編」に続く>

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