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「テレビつけたらもう終わってた」箱根駅伝“超特殊区間”6区走者たちの悲哀…青学大のあの名手も「山下りは神とは呼ばれないんです(笑)」

posted2026/01/15 06:01

 
「テレビつけたらもう終わってた」箱根駅伝“超特殊区間”6区走者たちの悲哀…青学大のあの名手も「山下りは神とは呼ばれないんです(笑)」<Number Web> photograph by JIJI PRSS

第94回大会の6区、青学大の小野田は東洋大の今西を抜き去ってトップに立つ

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 箱根の山の神といえば「上り」。だが「下り」の6区も、5区に負けず劣らずの特殊区間なのである。天下の険を駆け下る難しさを、経験者たちはどう語るのか。Sports Graphic Number 1087・1088号(2023年12月21日発売)に掲載の記事「[超特殊区間6区の謎]箱根の山下りに神はいるか。」を特別に無料公開します。〈全2回の2回目/1回目から読む

 館澤亨次(当時DeNA)が言う6区の「怖さ」を同じように語ってくれたのは舟津彰馬(当時小森コーポレーション)だった。

「もう想像がつかないぐらいの下り坂なんですよ」

 本戦連続出場が途絶えた時期の古豪・中央大学で1年生主将に任命された舟津は、3年時の'19年に6区を走った。区間17位と好走できなかったが、だからこそ箱根の山下りの難しさを知れた部分もあるという。

怖くて走り方も分からなくなる

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「ずっと崖のふちに立って背中を押され続けているみたいでした。時計をしている手を上げることすら許されない。タイムの出なかった自分でさえそう感じたので、タイムを出した人は本当に死ぬ気で、コケてもいいぐらいの気持ちで攻めてるんだと思います」

 そこにブレーキを踏む意識が入る余地はない。躊躇は失速と同じだった。

「後傾して体がのけ反ってしまうと、後ろに引っ張られたように止まってしまう。もう怖くなって、走り方も分からなくなってしまうんです。足にも負担がかかる。太ももの前側やひざ下を使って足を回し、いかに平地と同じ感覚で接地し続けられるかが大事なんです」

 それでもどこか効率の悪い走りになっていたのは、レース後の足のダメージを見れば一目瞭然だった。足の裏に「寒さと靴擦れ対策」としてワセリンを塗っていたが、全く意味をなさなかった。シューズを脱ぐと、親指どころか人差し指まで靴下を突き破っていたという。足へのダメージも1週間は消えなかった。

 それこそが傾斜角だけでは計り知れない6区の怖さでもある。

「6区を走った人はそのままの流れでは春から実業団で走れないとか、大学の試合でも走れないと噂になることがありますよね。それは選手個人の実力の問題ではなく、それだけ足への負担がすごいから。回復に時間がかかるってことなんです」

【次ページ】 青学大の下りのスペシャリスト

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