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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「またやっちゃったか…」楽天初代監督が人事に苦言…今江監督解任で10人中6人が1年間で“クビ”「オーナーは嫌だったのか…僕が1年で解雇になるまで」
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/12/31 17:08
1年限りで解任された楽天・今江敏晃監督(41歳)
「星野さんは『俺とお前みたいな生き方が一番いいよな。思ったことを言って、あとはここだというところを掴んでいればいいんだからな』とおっしゃったんです。でも、僕は『星野さんと違って、僕にはここって掴んでるところがありませんよ』と返したんです」
星野氏が「ここ」と言ったのは、みずからを重宝してくれる存在ということだろう。星野氏にとっては楽天が「ここ」だったのかもしれない。実際、星野氏は監督を2014年に退任後、シニアアドバイザーに就任し、2015年から死去する2018年まで球団の取締役副会長を務めた。
「『ここだというところ』を掴む星野さんはさすがだと思います。でも、色々神経使うと思いますね。僕はそういう神経が使えないから、ここというものが掴めず、お金が貯まらない(笑)」
「楽天時代、眠れない夜がなかった」
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楽天を1年で退団した田尾氏だが、野球ファンの間からは「もう一度、どこかで監督をしてほしい」という声も上がる。監督への意欲はあるのだろうか。
「もう年齢的なこともありますからね。でも、勝率5割のチームの監督を一度やってみたかったですね。よく監督経験者は胃が痛いとか眠れないとか言いますけど、僕は楽天の監督時代、まったくそういうことがなかった。というのも、やることやって負けるのはしょうがないと割り切ってました。1、2点差が続いたら監督の手腕によるところも大きいので、神経がどうにかなってたと思いますけど、あの頃は大差で負けるゲームが多かったですからね。勝率5割のチームを率いてたら、僕もまた違う経験が積めたのかなと思っていますね」
とはいえ、当然今でも現役選手たちの動向は逐一チェックしている。特に田尾氏が気にかけているのは、今季オフにロッテから現役ドラフトで西武へ移籍した平沢大河だ。
「彼はすごい素質を持っているのに、打率が2割に満たない。非常にもったいないです。選手はひとつのコツを掴むだけで、180度変わることがあります。平沢くんにもコツを掴んでもらいたいですね」
野球人へのリスペクトに欠けるのは、監督に対してだけではないのかもしれない。次は田中将大の退団について田尾氏に聞いていこう。
<続く>