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「安楽智大パワハラ問題も彼は説明しなかった」楽天初代監督が疑問視する“楽天フロントの冷たさ”「田中将大退団も石井一久らの言葉が問題だったのでは」
posted2024/12/31 17:09
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
Sankei Shimbun
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「石井一久らの言葉次第だったのでは…」
2024年のオフシーズン、球界を激震させたのが11月24日の田中将大の退団報道だ。2013年の楽天の日本一に24連勝と多大なる貢献をした大エースだが、球団との年俸更改交渉がまとまらず、自主退団。その後、田中の去就は巨人に決まった。残り3勝となった日米通算200勝も、巨人での達成となるか注目される。
この田中の一件について、楽天初代監督の田尾安志氏はこう語る。
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「年俸の低さが気に入らなかったとか色々言われていますが、石井一久らフロントの言い方、言葉の使い方次第だったのではないでしょうか」
楽天でGM、監督を経て、現在はSD(シニアディレクター)を務めている石井一久氏。石井氏は田中との交渉にも参加していた。
「マー君など35歳以降のベテランにとって一番大事なのは、自分が球団からどう見てもらっているかということ。つまり、『お前、戦力だからな』という一言があるかないかです。年俸を下げられて気分が悪いから辞めるということではなく、自分が求められていないような空気を感じたのではないでしょうか」
「安楽パワハラのときも説明がなかった」
田尾氏自身も引退を決めたのは、監督からの一言だった。阪神時代、二軍落ちの際に当時の中村勝広監督に田尾氏は「監督の思い通りの野球やってください。僕はいつやめてもいいですから」と言った。その際、中村監督が田尾氏にかけた言葉は「お前、それでいいのか」だったという。1991年、当時37歳のときだった。
「それで自分はもう戦力として必要とされてないんだなと。仮に監督に『代打でお前の1打席が欲しいから、二軍で調整してきてくれ』と言われたら、まだ続けていました。なので、その場でやめますと告げたんです」
田尾氏は、このようなすれ違いが田中と球団の間であったのではないかと推測しているのだ。そして、交渉の場にいた石井氏に対して、田尾氏はこう話す。