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「近い将来、黄金期を迎えたい」全国高校駅伝“史上最速ランナー&全国制覇のエース”が揃って早大へ…超ルーキー候補に花田監督が抱く野望は?
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2024/12/25 17:03
全国高校駅伝のエース区間である1区と3区で区間賞を獲得した鈴木琉胤(八千代松陰)と佐々木哲(佐久長聖)。ともに早大へ進学する
花田監督が引き合いに出した渡辺康幸氏(現住友電工監督)と言えば、早大在学中から世界の舞台で活躍し、箱根路に数々の伝説を残したランナーだ。“それ以上”とまで言い切る鈴木が、早大への進学を決めた時の花田監督の胸中は想像するに難くない。
一方の佐々木も3区で圧倒的なパフォーマンスを発揮した。
先頭の八千代松陰高と36秒差の2位で襷を受けると、首位を奪取しただけでなく10秒差を付けて次走者につないだのだ。また、折り返しでの独特なターンも話題になった。その佐々木はこう語る。
「憧れは大迫傑」という佐々木
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「大迫傑先輩に憧れているんです」
佐々木は高校の先輩でもあり、現在マラソンで活躍している大迫(Nike)への憧れから早大への進学を決めたという。佐久長聖高では3000m障害を中心に活躍し、インターハイでも優勝。タイム的にも高校歴代2位の記録を持つ。高校時代の記録では、オリンピックで2大会連続入賞中の三浦龍司(SUBARU)をも上回る。
花田監督は、佐々木とのファーストコンタクトをこう振り返る。
「佐々木君と話をした時に、彼のほうから『世界を目指してやりたい』という言葉が出てきて、そんなところにも魅力を感じました。都大路の“ターン”もそうですが、物怖じしない性格で、良い意味で型にはまらない。自分自身の言葉や考えを持っているのも魅力的だなと思いました」
もちろん佐々木が中学時代から全国区で活躍をし、力のあるランナーであることは知っていたという。ちなみに2021年の全日本中学校選手権で佐々木は男子3000mで2位に入っているが、その際、優勝したのが前述の鈴木という縁もある。
そんな実績に加えて、花田監督が佐々木により着目するようになったのは昨秋のことだった。佐久長聖高の高見澤勝監督から「佐々木が良いんです。高校駅伝を見ていてください」と言われ、都大路では佐々木に注目していたという。
5区を任された佐々木は3kmを爆走し、51年ぶりに区間記録を更新。そして今季はトラックでも駅伝でも大活躍を見せた。