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「近い将来、黄金期を迎えたい」全国高校駅伝“史上最速ランナー&全国制覇のエース”が揃って早大へ…超ルーキー候補に花田監督が抱く野望は?
posted2024/12/25 17:03
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Satoshi Wada
12月22日に行われた全国高校駅伝・男子。
八千代松陰高(千葉)の鈴木琉胤が、エース区間の1区で衝撃の走りを見せた。
スタート直後から先頭に立つと、終始先頭を引っ張り続け、後半は独走で2位以下を全く寄せ付けなかった。
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「2km過ぎから金閣寺まで向かい風が強くて。風に煽られて“これでいけるのか”という不安はあったのですが、辛さよりも楽しさが勝ちました」
鈴木がこう振り返るように強風にも負けることなく、ラスト3kmはペースアップ。1区10kmでの日本人最高記録となる28分43秒を打ち立てた。
全国高校駅伝で活躍の「Wエース」が早大へ
鈴木が冬の都大路に衝撃を残してからおよそ2時間後のこと。早稲田大学競走部のホームページとSNSでは、2025年度の推薦合格者が発表されていた。
そこには鈴木の名前に加えて、この日、準エース区間の3区区間賞の走りで首位を奪い、佐久長聖高(長野)の連覇に大きな貢献を果たした佐々木哲の名前もあった。2人が都大路で大きなインパクトを残した直後だけに、このタイミングでの発表には反響も大きかった。
「次年度入学が決まっている選手たちにはLINEで『頑張れ』とメッセージを送っていて、鈴木君からは『快走してきます』という返事がありました。たぶん1区の区間賞を獲るだろうなと思って見ていました。かなり調子が良いとは聞いていたので」
こう話すのは、早大の花田勝彦駅伝監督だ。
「出だしから圧倒的で、本当に強いと思わせるレースでした。もう“別格”の印象はありましたよね。本当にリラックスした走りをしていた。引っ張ってもらったり、競り合ったりしたら、もっともっと記録は伸びる。将来性を感じる走りだったと思います」
花田監督が鈴木の走りを初めて目の当たりにしたのは、彼が1年生だった2年前の徳島インターハイだという。1500mに出場した鈴木は、高1歴代3位の好記録(3分46秒82)をマークして6位入賞を果たした。その時に初めて声をかけ、その後も会話を重ねるうちに「走りだけじゃなくて、人間的にもすごく魅力がある」と、鈴木に惚れ込んだ。
昨年度は仙骨の疲労骨折などで走れない時期もあったが、そんな時も声をかけ続けた。
「将来は日本を背負って立つ選手。ケガが多いので、こういうところを鍛えたほうがいいとアドバイスしたり、順調に育ってほしいという気持ちで接していました。私の中では、後輩の渡辺康幸君を思わせるような何十年に1人の逸材だと思っています。渡辺君と同等か、それを上回る力があるのかなと感じています」