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「亡命の触手は何度もあったはず…」巨人が獲得のライデル・マルティネス「総額50億円超」マネーゲームの舞台裏と「単に金額だけじゃない」決断の背景
posted2024/12/23 11:02
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
3年連続最下位に終わってはいても、ドラゴンズファンにはささやかでも揺るぎない誇りがあった。それは「8回を終わってリードしてさえいれば、あとは何の心配もいらない」ことである。事実、今シーズンの7月11日の9回に追いつかれ、延長戦で敗れるまで前記の条件を満たした試合はなんと143連勝中であった。
絶対的守護神の流出
どんなに弱くても、リードしている9回だけは不安なく過ごせ、3、2、1とカウントダウンを楽しめる。そんな「誇り」の源泉であるクローザーの流出が決まった。巨人が12月16日に、ライデル・マルティネスの入団を発表したのだ。
もっともほとんどのドラゴンズファンは遅かれ早かれその日が来ることを覚悟していた。というのも11月21日にキューバに帰国する際に、中部国際空港で取材した番記者に対し、目に涙を浮かべてこう話したことが報道されていたからだ。
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「すごく居心地がよくていいチーム。本当はドラゴンズを出たくないんですけど、今は戻ってこられると言い切れる状態ではない。ファンも素晴らしい応援をしてくれてもう1つの家族みたいな存在。8年間を思い出すとすごく感情的になる」
台湾から再来日の裏側
誰が読んでも「ああ、終わったんだな」とわかる言葉を、涙ぐんで話したのだ。そもそもこの直前までキューバ代表として台湾で国際大会プレミア12を戦っていたマルティネスは、敗退後にチームといっしょに帰国せず再来日している。それは荷物整理だけでなく、中日との最後の意思確認の場が設けられていたようだ。