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「クボは守備が力強くなったが、まだダメだ」中2日フル出場MVP久保建英へ辛口の愛…“ソシエダ会員歴44年”ホテルマンと「試合後つった足」
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/12/05 11:00
1ゴール1アシストのELアヤックス戦から中2日、久保建英はハードワークでソシエダの勝利に貢献した
ソシエダの先発イレブンは、バスク語の記された背番号3のユニホームを纏って登場。12月3日に迎えた、国際バスク語の日を祝ってのものだった。
スペインには4つの公用語がある。その1つカスティジャーノが全地域共通で話されていることで、俗に〈スペイン語〉とされている。
外国人が〈スペイン語〉を学ぶ場合の対象は、基本的にはカスティジャーノになるが、地域や人によっては、“カスティジャーノはカスティジャーノ、スペイン語ではないよ!”なんて半分の冗談と、若干の本気で言われることもないわけでもない。
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とりわけ孤立言語(現存する他言語との系統が無い)のバスク語を母語とするのはスペインの人口の1パーセントほどとも言われ、民族意識の高いバスク地方において、バスク語、そしてバスク文化を守ることの大切さを訴えるものだった。
バスク語の中に地域ごとの方言があり、カスティジャーノとバスク語の関係性は方言とは全くの別次元となる。その習得の難しさを、欧米人にとっての日本語の習得の難しさと重ね合わせるような小話もあるという。
久保と相手左SBの激しい奪い合いがキーポイントに
試合は実力の拮抗した中位同士による、中盤での激しい潰し合いとなった。
言い方を変えると、シュート数の少ない見どころの少ない試合となってしまったが、右ウイングに入った久保と、久保に相対したベティス左サイドバックのロマン・ペローのマッチアップが、1つのキーポイントとなった。
キックオフ早々に久保の元へパスが入ると、激しく詰め寄ってボールを掻き出すペローの姿があった。またペローがソシエダ陣内深くまで抜け出した際には久保が対応。自陣深くまで戻ってボールを奪い返すなど、サイドでの主導権の激しい奪い合いが行われていた。
非常に拮抗した展開の中、幸先良く先取点を奪ったのはホームチームだった。前半14分、センターライン付近でボールを保持するベティスが、ソシエダのプレッシングに負け自陣サイドライン外へボールを出してしまう。そこへ素早く反応したアイエン・ムニョスがクイックスタート。アンデル・バレネチェアとの連係でサイドを突破し鋭いクロスを送ると、相手のオウンゴールを誘発した。
質の高いクロス、ゴール前でミケル・オヤルサバルがしっかり詰めていたこと、ムニョスのクイックスタートを可能にしたボールボーイの対応も見逃せないポイントだったか。
久保のマーカーがストレスを受け続けた結果、PKを
さらに31分、久保と背番号10の連動が、スタジアムに歓喜をもたらす。




