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「クボ交代、早すぎでは?」久保建英EL1ゴール1アシストの一方でダービー敗戦後、記者の質問に監督が“意外な答え”…過密日程ソシエダの悩み 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2024/11/29 17:10

「クボ交代、早すぎでは?」久保建英EL1ゴール1アシストの一方でダービー敗戦後、記者の質問に監督が“意外な答え”…過密日程ソシエダの悩み<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ELで1ゴール1アシストと大活躍の一方で、ダービーでは痛恨の敗戦。久保建英とソシエダにとって難しい過密日程の時を迎えている

 代表ウィーク明けとなったこの試合、久保はW杯アジア最終予選を戦った日本代表での試合から合流している。長距離の移動や時差の影響もあったはずだが——大事なダービーへの先発に名を連ねた。

 試合は序盤から、ホームチームのビルバオが支配する時間が続いた。その中で最初の違和感は、久保の守備時のタスクが以前のものに戻ってしまったことである。

 前節対バルサ戦、今季ベストゲームで勝利したソシエダでは、守備時の久保のタスクが、それまでとは変わり相手サイドバックへの対応ではなく、CBへのプレスに変更されていた。これにより守備時の久保の負担が軽減されただけでなく、本来久保が持つ前向きな守備への特性が活かされ、バルサ守備陣へ大きな影響を及ぼしていた。

 この戦術的変更が、ある意味バルサ戦勝利の大きな要因と見えていただけに……キックオフと同時に久保が相手SBへの対応に追われたことは不思議だった。

過密日程の渦中…ダービーに全戦力を注ぐわけには

 試合の流れによっては、久保とインサイドハーフに入るセルヒオ・ゴメスが役割を受け渡すことがあった一方で、守備に混乱をきたすようなシーンもあった。前節からは数名の選手が変更になっており、久保に代わって出場し、相手SBへの対応を担当したブライス・メンデスのターンオーバーも戦術面に影響を与えていたか。

 ソシエダは過密日程の渦中におり、この試合から中3日でELアヤックス戦が控えていた。リーグフェーズ突破のためには是が非でも勝ちたい試合、ダービーに全戦力を注ぐわけにはいかなかった側面もある。

 スタジアムと一体化したようにファンからの後押しを受けたホームチームのビルバオは、前半26分、先制点奪取に成功する。スペイン代表でもある22歳ニコ・ウイリアムスのクロスをオイアン・サンセットが頭で押し込んだ。

久保の交代が“早すぎる白旗宣言”に

 失点以降、攻めざるを得なくなったソシエダがリズムを取り戻すと、久保の元へも徐々にパスが入り始めた。久保へは、相対したSBユーリ・ベルチチェからの徹底マークに加え2枚目、3枚目のカバーに警戒されたが、カットインから逆サイドへの展開、また自陣から単独での突破を図ると、堪らずファールした相手に警告を誘発した。

 前半終了間際には、久保から逆サイドのアンデル バレネチェアへ展開。そのバレネチェアのクロスに久保が走り込みシュートを放ったがネットを揺らすことはできなかった。

【次ページ】 “クボ交代、早すぎでは?”の質問に監督は…

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