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「クボ交代、早すぎでは?」久保建英EL1ゴール1アシストの一方でダービー敗戦後、記者の質問に監督が“意外な答え”…過密日程ソシエダの悩み
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/11/29 17:10
ELで1ゴール1アシストと大活躍の一方で、ダービーでは痛恨の敗戦。久保建英とソシエダにとって難しい過密日程の時を迎えている
さらに後半序盤にも、久保が起点となりビッグチャンスを掴んだが同点弾を奪うことはできなかった。そして60分、久保は最初の交代選手2名のうちの1人としてピッチを退いた。ビルバオの勢いに飲まれ、数多くのチャンスを生み出すことはなかったが、ソシエダの好機のほとんどに久保が絡んでいた中での早すぎる交代となった。
ソシエダはこのまま決定機を作ることができず、0−1で敗戦を喫しており、久保の交代策が、結果として早すぎた白旗宣言となってしまった。
“クボ交代、早すぎでは?”の質問に監督は…
試合後の監督会見では地元記者より攻撃の起点となっていた久保を代えたのが早すぎたのではないかというような質問が飛んだ。
指揮官イマノル・アルグアシルは「私にとっては、誰一人輝いている選手はいなかった、もし11人交代できるなら交代していましたよ」と、直接の回答を避けつつ、選手の出来に責を押し付けた。
実際、失点時など、特に守備時に久保を含めたチーム全体としてボールウォッチャーになり足が止まってしまうシーンがあり、身体が重いようには感じられた。また過密日程を考慮しながらの采配ではあるが、相手の激しいプレスに中盤が耐えられなかったことを考えれば、ブライスが出場していれば——という考えも浮かぶ。
特別なダービーだったということを考えれば、監督の采配が敗戦の要因になったと言えそうだ。
ELで1ゴール1アシスト、過密日程はつづくだけに
迎えた28日、EL対アヤックス戦。冒頭で触れたように、先発出場した久保が躍動した。
後半21分、右サイドを深くえぐってからの左足ラストパスでバレネチェアの先制ゴールをアシスト。そして40分にはロングボールのこぼれ球を右サイドで拾うと、単騎のドリブル突破から4人のマーカーを幻惑しつつ、左足コントロールシュートをゴール左隅に流し込んだ。自身にとって今季のEL初ゴールで、2−0の勝利に大きく貢献した。
ソシエダは12月、ELとラ・リーガに加えて国王杯とクリスマス休暇までに6試合をこなす。その中で攻撃の牽引役として久保にかかる期待は大きくなるが、イマノル監督は起用法の最適解をどう見つけていくか。