欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボ交代、早すぎでは?」久保建英EL1ゴール1アシストの一方でダービー敗戦後、記者の質問に監督が“意外な答え”…過密日程ソシエダの悩み
posted2024/11/29 17:10
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
ELアヤックス戦で1ゴール1アシストの大活躍を見せる4日前のこと――久保建英はレアル・ソシエダの一員としてラ・リーガ14節、敵地での対ビルバオ戦、“バスクダービー”に臨んだ。この一戦の撮影に当地を訪れた。
あの辺でタケにボールを持たれるとヤバい
ビルバオはその名の通り、バスク州ビスカイヤ県の県都ビルバオをホームタウンとする。またソシエダは、バスク州ギプスコア県の県都サンセバスチャンをホームタウンとしている。このバスク州を代表する2大都市をホームタウンとする両者の対決は、バスクダービーとして知られている。
ピッチの上ではプライドとプライドが激しくぶつかり合い、またスタジアムからはアウェイチームに向けての容赦のない野次が飛ぶ。
しかし、今なおそのルーツは謎に包まれているとさえ言われる、“バスク人”という民族的なつながりから友好的なダービーともいわれる。確かに観客席を見渡すと、友達同士、カップルや夫婦から祖父と孫娘といった幅広い層で赤と白、青と白と、別々のユニホームを纏った姿が容易に見つかる。
「ビルバオファンとしては言いたくないけど、Takeはすごい選手だよ。(ピッチを指差し)あの辺でボールを持たれるとヤバい」
大学時代に出会った友人同士での観戦のサポーターは言う。またカップルのサポーターは、
「Take Kuboのことはもちろん知ってるわよ。彼氏に合わせてソシエダの試合も見(させられ)るから活躍を知っているの」、「それぞれのチームのことで喧嘩になることはないよ」と答えてくれた。
11月24日、向かったビルバオでは生憎の曇り空が迎えてくれた。
空港から市内へ向かうバスがトンネルを抜けると、目の前に金色の巨大な塊が現れ、赤がシンボルカラーの橋が市内への入り口となる。金色の塊はビルバオ・グッゲンハイム美術館だ。美術館の脇を走る川沿いでは、ビルバオの街を背景にマラソン大会が行われていた。
日本代表後の長距離移動でもダービーの先発に
キックオフは21時だが、お昼時にはすでにユニホーム姿でワイン片手に盛り上がるサポーターの姿にダービーへの意気込みが伝わる。その意気込みはそのままキックオフを待つスタジアム内部に持ちこまれる。ホームカラーのモザイクと野太い歓声がスタジアムを包む。
その中に久保も先発イレブンとしてピッチへ登場した。