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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ザイオン?知ってるよ。有望なGKだ」バルサ名手、ブラジルの“天才悪童FW”が慈善試合で…白髪だらけロマーリオ、エジムンドは審判に猛抗議
posted2024/12/01 11:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
AGIF via AFP/JIJI PRESS
ブラジルへ来たバルサ・レジェンズ
「いずれ日本人選手がバルサに入団し、のみならず主力として活躍すると考えている」
「ザイオン・スズキ? ああ、もちろん知っているよ。まだ若いけれど、身体能力が非常に高く、フィードもうまい。将来がとても有望なGKだと思う」
かつてバルセロナに所属し、ブラジルの地を訪れた名選手から、こんな“日本評”を聞くことになるとは――。
11月17日、ブラジル南部クリチーバでバルサ・レジェンズ対ペレ・ペケーノ・プリンシペ(以下、ペレPP)のチャリティーゲームが行なわれた。
バルサ・レジェンズは、かつてバルセロナで活躍した名選手によって随時、構成されるチームだ。2016年に創設され、以来、レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、リバプールといった名門クラブのマスターズと世界各地で試合を行なっている(注:12月15日には、東京の味の素スタジアムでレアル・マドリーのレジェンズと対戦する)。
下部組織時代、久保が所属したことはあるが…
過去、バルセロナでプレーしたブラジル人選手は43人を数える。これは外国人では最多で、オランダの23人、アルゼンチンの22人、フランスの21人を圧倒する。
一方、この青とえんじの縦縞の美しいユニフォームをまとってトップチームの公式戦でプレーした日本人はまだ1人もいない。
2011年、当時9歳の久保建英がアカデミー(ラ・マシアと呼ばれる)に入って年齢別カテゴリーでプレーして大きな話題となった。しかし、クラブがFIFAの規定に背いて18歳未満のEU国籍外選手を獲得したため制裁を受け、久保は年齢別大会の公式戦に出場できなくなり、帰国。Jリーグでプレーしたのち、現在はレアル・ソシエダでプレーしている。
この試合では、元ブラジル代表FWロマーリオ、リバウド、DFエジミウソン、MFジョバンニにパウリーニョ、元アルゼンチン代表FWハビエル・サビオラ、元スペイン代表左SBセルジ・バルファンらが名前を連ね、監督はアルベルト・フェレールが務めた。過去に在籍したブラジル人選手には他にもFWロナウジーニョ、ロナウド、DFダニエウ・アウべスらがいるが、この試合には出場しなかった。
一方、ペケーノ・プロンシペはクリチーバにある小児専門の病院で、ペレの遺族が設立した慈善団体と提携関係にあることからこのチーム名となった(試合の収益は全額、この病院に寄贈される)。