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宮里藍、渋野日向子、古江彩佳も届かなかった…23歳西郷真央が米女子ゴルフ“新人賞”を受賞「34年ぶり…日本人からなぜ受賞者が出なかった?」
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南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2024/11/29 06:02
1990年の小林浩美以来となるルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した西郷真央(23歳)
西郷が言う“あれ”とは、2022年のことだ。当時、国内ツアーの前半戦で5勝を挙げたにもかかわらず、シーズン後半はドライバーの絶不調に陥り、最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で大会史上ワーストとなる通算35オーバーの最下位に沈む屈辱を味わった。報道陣に「ゴルフをやりたくないと思った」と漏らしていた。
次に西郷がカップを掲げたのは2023年11月の「伊藤園レディスゴルフトーナメント」。1年半ぶりの優勝だった。
スランプから脱することができたのは、スイング動画に要因があるという。
いくつも処方箋を用意する
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西郷は関係者にスマホで自身のスイングを撮影してもらい、何が良くて何が悪かったかを分析する。この習慣は中学3年の頃から続けており、西郷のスマホには膨大な動画が保存されている。その成功体験はアメリカでも役立った。
「どの選手よりも撮る回数は多いと思います。撮ってもらったスイングを確認して、自分の感触と実際の映像が一致しているかというのを毎日すり合わせる。(アメリカの)スマホは無音で撮れるので、試合中も動画を撮れるというのは強み。このショット、この動きしてたから、こういうショットになっちゃったんだなとか」
同時に、気づいたことをメモすることも忘れない。
「たとえば、今日(スイングに)この癖が出てたから、こういう動きを入れたら中和されてよくなったとか。それが次の日、この動きをしたら、あんまり良くなかったとか。実際、試合で(スイングが)悪くなったときに、『あ、これを試そう』とか『これだったら使えるかも』と実践に使えるメモを残しています」
つまり、西郷は自分への処方箋をいくつも持ち合わせているのだ。
「色んなパターンを持っておくのは大事。やっぱり常に自分のしたい動きができるわけじゃないので、調子が悪いときに、『これじゃない、あれじゃない』と一つずつ試すことで、早く修正できると思います」


