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「10年前の私に教えたい、まだゴルフしてるよって」10年優勝なし、育児しながらツアー転戦…それでも、横峯さくらが“39歳の自分”に期待する理由

posted2025/02/09 06:00

 
「10年前の私に教えたい、まだゴルフしてるよって」10年優勝なし、育児しながらツアー転戦…それでも、横峯さくらが“39歳の自分”に期待する理由<Number Web> photograph by Shizuka Minami

新シーズンに向けて順調な仕上がりをみせる横峯さくら(39歳)

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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Shizuka Minami

 今年1月下旬、千葉県。新シーズンに向けて汗を流す横峯さくらの姿があった。

 この日は、2025年シーズンから新調したクラブを精力的に試打した。担当者から新しい相棒を手渡され、スイングするたび感想を口にする。

「これは良いですね」「すごい右(に飛んだ)」

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 パター練習場では同じく新しい数種類のサングラスを試しながら、グリーンの芝を読むテストをした。

 国内ツアーをともに戦い抜く道具を真剣に絞り込んでいく作業のなかで、横峯の表情は終始、明るかった。

 それもそのはず。昨年11月、通算3オーバーの28位で最終予選会を通過した横峯は、今シーズンは1回目のリランキングまでの出場権を手にしている。一昨年の最終予選会は40位に終わり、2024年シーズンの序盤は後半戦の出場権を約束されていない中での戦いだった。そのプレッシャーに比べれば、今年は開幕戦から挑める。1年間通したプランも、計画的に練ることができるということだ。

昨季は10戦連続で予選落ちも経験

 横峯にとって昨シーズンは、前半戦の出場権こそ確保したものの「良い1年だった」とは言い難い内容だった。31試合に出場し、予選落ち18回。トップ10入りは一度もなかった。10戦連続で予選落ちが続いた時は「もう無理かな」と落ち込んだこともあったという。

 敗因は「年齢に囚われすぎていたこと」だと自己分析する。若手の台頭が進み、周囲から「ベテランになってきましたね」「身体の変化はありますか?」など加齢に対する懸念や質問が飛び交うようになった。その声のせいで「トップで戦うためには、飛距離を出す身体を作らなきゃ」と考え込むようになり、やみくもにトレーニングに励んでしまった。

「結局(ゴルフをするための)身体が整っていなかった気がします」

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