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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「立浪監督は間違っていた」3年連続最下位の中日にズバリ…江本孟紀が語る“立浪和義の致命的ミス”…星野仙一も実践した「参謀は仲のいい人間ではダメ」
text by
江本孟紀Takenori Emoto
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/21 17:01
今シーズンをもって監督を退任した立浪和義
たとえばAが社長、Bがサポートする役回りをしていた場合、Aの意見よりもBの意見が正しい場合であっても、強く言えないがために、間違った方向に進んでしまい、結果的ににっちもさっちもいかなくなった、なんてことは往々にしてよく聞く話だ。
つまり、立浪監督と落合、片岡の場合も同じことが言える。「同級生だから何でもわかり合える」という理由で監督とヘッドコーチになってしまうと、監督が間違っているときでも強く言えない、あるいは意見が交錯し、人間関係までこじれてしまうということはある。
片岡ヘッドは優しすぎた
実際、2022年から23年まで一軍ヘッドコーチ(投手コーチ兼任)を務めていた落合は、2024年シーズンから二軍の投手兼育成コーチに代わり、一軍のヘッドコーチを片岡が務めた。だが、思うように結果が出ないまま、結局は立浪監督とともに退任することになった。
片岡は金本知憲が阪神の一軍監督になった際の打撃コーチだったが、やはり思うような成果を残せなかった。一部の心ないファンからは、「指導者としては問題があるんじゃないのか」という声も聞こえてきたが、私が知る限りの片岡という人間は、人に気を使えるし、自分より年下の人に対して横柄な態度をとるなんてこともない。男気があって、なかなか見どころのある人物だと思っている。
ただ、あえていえば性格的に優しすぎる。これは実生活では長所になるのだが、こと勝敗のつく野球界の指導者としては、「甘い」と見られてしまうのかもしれない。それが立浪監督との間でも、「はっきりとモノが言えない」という状況に陥ってしまったとも考えられる。
これが星野さんや川上さんの場合だと、島野さんや牧野さんとは明確に一線を画していた。もちろんプライベートではあまりつながりがないからといって、邪険にするようなところは一切ない。むしろ、もともとのつながりがないからこそ、いい意味での緊張感のある人間関係が築けていたに違いない。
友達ではない人を右腕となるヘッドコーチに選んだ星野さんと川上さん、友達をヘッドコーチに選んだ立浪監督との違いはこのあたりにも浮き彫りになっているが、結果はどちらが正しかったのか。それは日の目を見るより明らかである。
〈つづく〉