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今だから明かす“日本シリーズ指笛騒動”“9月の不調”…DeNA東克樹・独占インタビュー「勝ち星より大事なもの」「3年やってこそ」のエース哲学
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNanae Suzuki
posted2024/11/18 11:04
日本シリーズ第3戦、連敗スタートからの流れを変える力投を見せた東
「だから9月中はずっとそんな感じで、そういった状況であっても投げさせてもらって申し訳ないなって気持ちもありました」
正直に東は言った。もちろん東だけではなく多くの選手が負傷を抱えての日々だった。シーズン終盤、三浦大輔監督の「無理をして出てもらっている選手もいる」という言葉が今さらながら染みてくる。それぐらいギリギリの戦いだった。
相次いだ不運な故障
どこかをかばえば、違うところに不調が出るのが人体の常だが、9月29日の阪神戦(甲子園)では今度は中指がめくれたという。
投手の体は精密機械だ。その後、東はなぜ指の皮がめくれてしまうのか原因を追究した。
「徹底的にデータを調べて、ある程度原因はわかりました。端的に言うと、リリースの瞬間の指の使い方です。来季に向け、そこをしっかり修正したいと思います」
アクシデントといえばCSファーストステージの阪神戦の際、走塁中、左太腿裏に違和感を持った。肉離れだった。しかし東は責任感から次のイニングを投げ切り、降板している。
「投げたらめちゃくちゃ痛くて……」
日本シリーズ進出を信じて
ファイナルステージは絶望と診断され、落ち込んでいる暇はないと東はリハビリに集中した。
「最短で戻ってこられるように、トレーナーさんにはいろいろと動いてもらって本当に感謝しています。日本シリーズに進出してくれると信じていましたし、投げられる目途も立っていたので、とにかくその日に合わせて逆算して治療やトレーニングにあたりました」