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今だから明かす“日本シリーズ指笛騒動”“9月の不調”…DeNA東克樹・独占インタビュー「勝ち星より大事なもの」「3年やってこそ」のエース哲学

posted2024/11/18 11:04

 
今だから明かす“日本シリーズ指笛騒動”“9月の不調”…DeNA東克樹・独占インタビュー「勝ち星より大事なもの」「3年やってこそ」のエース哲学<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日本シリーズ第3戦、連敗スタートからの流れを変える力投を見せた東

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Nanae Suzuki

「いや本当、長かったですね」

 日本シリーズ制覇から約10日後の秋季トレーニング中、横浜DeNAベイスターズの東克樹は、しみじみとした表情でそう言った。

 2月の春季キャンプから11月3日までつづいた今シーズン、エースとして先頭に立ち、一心不乱に駆け抜けた日々だった。

「だから例年とは違って、今後の自主トレとかあまり時間ないなって。そこは気をつけて調整していかないと」

 すでに気持ちは来シーズンへ。「うれしい悲鳴ですね」と伝えると、東は笑った。

「ある意味でね」

 チームのど真ん中の存在として達成した26年ぶりの日本シリーズ制覇。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ初戦では左腿裏のアクシデントにも見舞われた。けれども約2週間で戦列に復帰し、2連敗を喫していた日本シリーズ第3戦でマウンドに立ち、勝利を遂げ、その後の流れを変えたエースの存在。改めて、日本シリーズ制覇をどのように捉えているのだろうか。

我慢の日々があったからこそ

「もちろん、すごくうれしかったですよ。それにしっかりとシーズンを投げ抜いて、頂点に立てたというのは、自分にとってすごくいい経験になりました」

 そう言うと、東は一瞬考えるような表情をした。

「それに、なにもできないで日本一になるのと、チームに貢献して日本一になるのでは、いろいろ違うのかなって思いますしね」

 振り返れば3~4年前は、トミー・ジョン手術を受けたことで、チームの戦力になれない苦しい時間を過ごしてきた。あのもどかしい日々の我慢があったからこそ今がある。東の言葉には、やり遂げた者にしか感じられない重みがあった。

勝ち星よりも、イニング数

 今季のスタッツは、リーグ最多タイの26試合に登板し13勝4敗、防御率2.16。素晴らしい数字だが、他にも横浜スタジアムで11連勝、開幕から8連勝の球団レコード、また32試合連続クオリティースタート(QS・6回以上、自責点3以下)を達成するなど記録ずくめだった。

「勝ち星に関してはあまり気にしていないというか、自分一人ではどうにもできないところがありますからね。それよりもやっぱりイニング数を投げられたところが大きい」

【次ページ】 試合を作ることに特化しよう、と

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