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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「楽天は球団のナカがゴタゴタだから…」「今のソフトバンクは正直ワクワク感が足りないね」NHK解説者が本音で語る、ドラフト評価《パ・リーグ編》
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/14 17:04
今年のドラフトで注目が集まった清原正吾(慶應大)。取材の最後に、武田氏は清原にエールを送った
「今は球団側としては活躍できそうな選手を育成で安くとりたいという思いがある。契約金がないし、年俸も安いから、経営的にはお得なわけ。でも、やっぱりそういう契約は選手や指導者、親は嫌がる。俺も高校生の親だったら、上位指名じゃなければ大学に行けって言うよ。育成は給料が240万円くらいだから、それなら社会人でやったほうがいい。仮に野球を辞めても、社会人ならそのまま企業に在籍できる。人生は野球やってる時間より、その後のほうが長いから、そういう視点も大事だと思うよ」
武田氏も明大中野高時代、ドラフト下位で指名される可能性があったが、父親のすすめで明治大学に進学した過去がある。のちに明治大から日ハムに1位指名されるのだが、この経験も踏まえて、プロ入りを目指す選手にアドバイスする。
「俺はドラフトを受けず、大学に行ってよかった。4年間で心身ともに成長するし、礼儀も知るし、友達や仲間もできた。大人になってから、親父が『大学に行け』と言った意味がわかった。ドラフトの指名順位はわかりやすくて、1位や2位はスカウトがちゃんと見て、こいつなら絶対活躍できると思って指名している。3位以下は正直、絶対活躍できるとは言えないライン。もちろん、本人の頑張り次第だけど、俺が親なら2位までに指名されなければ、高校生なら大学、大学生なら社会人をすすめるね」
ちなみに、今回のドラフトでは清原和博の息子、清原正吾(慶應大)がプロ志望届を提出したことも話題となった。武田氏は六大学の先輩として、こうエールを送った。
「大学から野球を再開して、慶應の4番になるんだからポテンシャルはあるんだろうね。でも、リーグ戦で通算ホームラン3本という成績は、やっぱりプロレベルとは言えない。俺でも4本打ってるんだから(笑)。ただ、伸び代はあるからここで諦めずに、プロを目指して頑張ってほしいね」
来季は、ソフトバンクの牙城を崩す球団はあらわれるのか。ルーキーたちも含めた戦いぶりを楽しみにしたい。