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2023年ドラフト“1年後検証”…「東都7人衆」“ドラ1投手大崩れ”の中で奮闘したのは? 目を引く西武の「大成功」《中日・日ハム・ヤクルト・西武編》
posted2024/11/08 17:01
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
10月24日に「2024ドラフト」が行われて2週間あまり。
インターネット上では、その振り返りが盛んに伝えられているこのタイミングに、今年はあえて「2023ドラフト」……つまり、昨年のドラフトの振り返りをしてみたいと思う。
ドラフトの「成果・結果」が問われるのは、直後ではない。
もちろん「1年先」でもないのがほんとのところではあるが、1年経てば、ある程度見通しがつくというのも間違いないのは、ドラフト60年の歴史の中で、かなり有力な「経験則」にもなってきている。
というわけで、「2023ドラフト」から1シーズンを経過した今、その振り返りを行なって、今年のドラフトとの関連やチームの将来の行く末も展望してみたい。
12球団それぞれなので、長丁場になりますがどうか気長にお付き合いいただければと思います(※年齢は2023年時点)。
中日は「ドラ1投手」が早々にトミー・ジョン手術
【中日 2023年ドラフト指名選手】
×度会隆輝 21歳 外野手 ENEOS 183cm83kg 右投左打
(横浜DeNA、ロッテとの抽選に敗れる)
1位 草加勝 22歳 投手 亜細亜大 182cm75kg 右投右打
2位 津田啓史 21歳 内野手 三菱重工East 181cm86kg 右投右打
3位 辻本倫太郎 22歳 内野手 仙台大 168cm73kg 右投右打
4位 福田幸之介 18歳 投手 履正社高 181cm84kg 左投左打
5位 土生翔太 22歳 投手 BC茨城 180cm93kg 右投右打
6位 加藤竜馬 24歳 投手 東邦ガス 185cm99kg 右投両打
【中日 総評】
1位・草加勝(投手・亜細亜大)が、右ヒジのトミー・ジョン手術によって、1年目は野球にならなかった。肝心の1位指名が土俵に上がれなかったのだから評価にもならないが、高校時代(岡山・創志学園高)にブルペンでその全力投球を受けた者としても、万全な状態でのカムバックを願う。
健全な体調を損なっている時は、休むことが前に進むことである。
ストライク先行の無駄球の少ない投球スタイル、オールローボールと評したいほどの制球力、それでいて150キロ近い速球を投げるパワー。なにより、「鬼の東都」で完封を連発した高い実戦力。
ドラフトに「たら、れば」は大ありなのであえて言うが、万全な体調にさえなれば、この草加投手、戦力にならないわけがない。